3/20 No.33
道は桑畑のあいだを緩い勾配《こうばい》で下って行く、桑の木はまだ裸であるが、もう間もなく芽をふくのだろう、水気を含んだ枝々の尖《さき》は柔らかくふくらんで、青みのさした樹皮には、霧の微粒子が美しく珠を綴《つづ》っていた。
少年はときどき立止りながら道を急いだ。
「春いくたび」山本周五郎
https://www.aozora.gr.jp/cards/001869/card58869.html
本日から、「春いくたび」です。
ぼんやりしてたら筆ペンで誤字。旅行の疲れが残っている感じで集中力が薄いです。