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差別を作り出す認識の枠組みをめぐって
artforall-jp.org/article/渡部宏樹/

 “例えば、イスラエル国防相はパレスチナの人々を「人畜(human animals)」と呼び、ネタニヤフ首相は10月7日以降の侵攻で殺害された3万人以上のパレスチナ人のうち1万3千人のテロリストが含まれていると言ったレトリックを駆使しています。これはパレスチナ人を非人間化し、具体的な個別性や複雑さを完全に無視することで、すべてのパレスチナ人が本質的に悪者であるかのような印象を与えようとするものです。日本にいるとあまりにも荒唐無稽だと思うのですが、同じようなレトリックは日本社会の中でも数多くみられます。”

 “虐殺を生み出すような差別的な認識に陥らないためには、その容易には理解が及ばない複雑な他者の現実をこそ、それを知りたいという欲望自体に危うさがあると思いつつも、しかし、アートや文学といったなんらかの形で、その理解の難しさの片鱗に触れることが必要なのではないかと思います。”

 “本質主義は私たちの認知コストを下げてくれます。国籍や人種や生物学的性差セックスが実際は社会構築的だとしても、それが実体として存在すると本質主義的に考えると、私たちが複雑な現実に対処する労力を節約できてしまいます。”

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