宮沢賢治『『春と修羅』100年/上 「現象」と先鋭的方法論=城戸朱理(詩人)
https://mainichi.jp/articles/20240404/dde/014/040/005000c?s=09
「わたくしといふ現象は/仮定された有機交流電燈(でんとう)の/ひとつの青い照明です/(あらゆる透明な幽霊の複合体)/風景やみんなといつしよに/せはしくせはしく明滅しながら/いかにもたしかにともりつづける/因果交流電燈の/ひとつの青い照明です」(「序」)
“近代文学は「私」という主体を中心に据えて始まるものだったが、賢治は「わたくし」とは主体ではなく「現象」であり、それは「風景やみんな」とともに明滅することを宣言している。”