「恐怖の時代の始まり」だけでいいのか 死者と残された人への視点がない 「オッペンハイマー」:藤原帰一のいつでもシネマ
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“フランソワ・トリュフォーが、戦争を描いた映画はすべて戦争礼賛になってしまうと言ったことがあります。観客はスクリーンに展開する戦争に引き込まれてしまうと言う逆説ですね。私はこのトリュフォーの考えに必ずしも同意しないんですが、この「オッペンハイマー」におけるトリニティ実験は、恐ろしい時代の始まりではなく、ちゃんと爆発してよかったよかったという表現になってしまう。原爆投下を肯定するどころか、最初の核実験の「成功」に引き込まれるんです。”