[寄稿]民主主義の廃墟―大量消費の果てにjapan.hani.co.kr/arti/opinion/

 “「天皇制は何故やめなければならないか。理由は簡単である。天皇制は戦争の原因であったし、やめなければ、又戦争の原因となるかもしれないからである。」「馬鹿げた侵略戦争を世界中に仕掛けた以上、日本は世界に対してその責任をとらなければならない。天皇制と封建主義とが日本を好戦的にした根本的理由であるならば、その理由を除き、天皇制を廃し、封建的残滓を洗い、再び好戦的になり得ないことを実行を以て世界に示さなければならない。」

 ここに引いたのは日本敗戦直後1946年3月21日に東京大学「大学新聞」に掲載された「天皇制を論ず」という寄稿の一部である。筆者「荒井作之助」は、のちの評論家・加藤周一の筆名である。加藤周一は天皇個人と天皇制を区別して議論することの必要性を強調しながら、天皇制という制度の廃絶を主張しているのである。戦後間もない時期、日本の中にもこのような正論が芽生えていた。それが今では、ほとんど誰も天皇制の廃止を口に出さない社会になったのだ。”

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 “ここで私は「再構築」「再建」という言葉を使ったが、そもそも「民主主義」が、内実を伴うものとして日本に存在していたかどうか疑わしい。こう書くと「自分は民主主義者だ」とか「自分は民主主義の諸価値を尊重している」とか主張して反発する人々が存在することは私も承知している。しかし、それは「民主主義」の消費者という意味ではないのか。決してその「生産者」(建設者)ではないのではないか。敗戦後、天皇制国家だった日本に戦勝国側から「民主主義」が供給された(「押し付けられた」)。その時、日本国民は「民主主義」の消費者となったが、生産者となることに失敗した。その貴重な「資源」を、あたかも化石燃料を大量消費するように自己中心的に消費し尽くした挙句に今日の惨状がある。”

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