第四章 生者にとっての悲嘆可能性
この世界はどんな世界か?
-パンデミックの現象学-
ジュディス・バトラー 著,中山徹 訳
http://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=3886
“私の考えでは、非暴力の政治を求める闘争は、命の平等な価値を求める闘争であると同時に、致命的な結果をもたらす論法に抵抗する闘争でもある。ここでいう致命的な論法とは、持続的に人々に不必要なものというレッテルを貼り、命に保護に値しないもの、喪に値しないものというレッテルを貼る(あるいはそうしたレッテルを貼らずにおく)死政治的(ネクロポリティカル)な算定術である。”
“(前略)非暴力とは、個々の暴力行為に反対するだけではなく、死んでもかまわない人々を設定するという方針に立つ暴力的な制度、政策、国家に反対すること、あるいは、人々が監禁状態のなかで死んでいく状況を放置する政策に反対することでもあるからだ。”
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