【岩波新書〈新赤版二〇〇〇点突破記念〉 この10冊】寺尾紗穂 周縁化された人々から歴史を問う[『図書』2024年1月号より]
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“優生学が流行した大戦期は、東欧からの白人系移民は一部受け入れたものの、非白人系は制限にさらされ、白人との婚姻も禁止された。ナチス・ドイツが人種政策を決める際に「アメリカの優生学的断種法や異人種間結婚禁止の法体系をモデルにしていた」ことも指摘される。戦後は共産圏が敵とされ、共産主義から逃れるインドシナ難民をアメリカは熱心に迎え入れた一方、中米の人々には経済的難民と切り捨て、受難に冷淡だった。”
“あきれはてるのは日系人で下院議員となったダニエル・井上と当時の岸首相の戦後の面談で、日系人から米国大使がでるかもしれないといった井上に、岸が述べたという「あなたがた日系人は、貧しいことなどを理由に、日本を棄てた「出来損ない」ではないか。そんな人を駐日大使として、受けいれるわけにはいかない」という言葉の貧しさだ。”
これが気になっていて読みたい。
弱者に仕掛けた戦争
アメリカ優生学運動の歴史
http://www.jimbunshoin.co.jp/book/b590672.html