第一章 哲学を定義する
抵抗にいいも悪いもない
“抵抗は、それがうまくいくかいかないかという価値判断とは無縁です。
なるほど、戦略的な抵抗を企むこと、抵抗の有効な組織化を計画すること、要するに「勝つこと」を考えることにも意味がないわけではありません。勝てるに越したことはないでしょう。しかし、獲得されるべき効果や成果から遡って抵抗の是非を問い、良し悪しを判定するようなことにはまったく意味がありません。抵抗に、いいも悪いもありません。”
“皆さんは、叩かれて「痛い」と言っている人を見て、「きみが『痛い』と言って何の意味があるのか?叩いてきた奴に反撃しなければ意味はない。だいたい、その『痛い』という声は小さかった。どうせ言うなら大声で、相手に確実に聞こえるように言うべきだった」云々と批判するでしょうか?そんな批判は無意味です。”
“叩かれて「痛い」と言うこと、これはすでに抵抗です。(略)「もう、こんなことはいやだ」ということがおのずと発せられている。抵抗というのはそういうものです。”
この本も良かった。身体に現れる抵抗というところも。