ニール・ブロムカンプ『グランツーリスモ』観た。ヤン・マーデンボローの実話を元にした映画でマーデンボローが本人役のスタントで出演。
130分強の上映時間にイベントをみっちり詰め込んでいるためダイジェスト感が凄い。GTアカデミーのくだりがあっさり風味なので肩透かしを食らったような気分になる。
内容がダイジェスト気味だからか、勢い編集も忙しなく落ち着かない。話題のレースシーンもゲームふうのチープな演出に興を削がれ没入できず。「王道」というよりかは捻りがないだけの脚本にあくびを噛み殺し、クライマックスで飛び出す「チート」「無双」などの安いワードに辟易とさせられた。
個人的に一番の減点ポイントだったのが、主人公とヒロインの東京デートの場面。あまりに貧弱なイメージの映像に怒りを覚えるレベルだった。演出家の自作に対する批評的視点の欠如が嘆かわしい。
ブロムカンプはそれなりに好きな監督のはずだったが、本作に関してはイマイチどころかイマニイマサンくらい乗り切れなかった。どうしてこうなった。