池田千尋『君は放課後インソムニア』観た。とても良かった。青春モノ、恋愛モノとして1ミリも衒いがなく真正面からエモみでぶん殴ってくるストロングスタイルの作劇と演出にクラクラきた。
後半、主人公の男の子がヒロインに向かって「俺にさらわれて欲しい。俺はお前がいなきゃ嫌なんだ!」みたいなことを言ってそのまま二人で駆け落ち(駆け落ちではない)ロードムービー展開に突入、無から湧いてきたでんでんとの交流を経て満天の星の下で告白(不自然なCGの使い方に微妙な感情を惹起させられる)とか、おじさん遠い過去に置き去りにしてきたはずの青春の光を全身に浴びて塩の柱になっちゃったな……。
さすがにダイジェスト展開が過ぎるし、登場人物の感情の流れに飛躍があり過ぎるだろと思う部分はあるのだけど、役者と芝居のトーンに統一感があるので展開が多少はしょり気味でも作品世界への没入がそこまで削がれない(まったく削がれないとは言ってない)のは強いと思った。
特に主演二人の瑞々しい演技が本当に素晴らしく、少年少女の何ものにも代え難い「いま、この瞬間」を作品に刻みつけるのに一役も二役も買っていた。ように思う。
後半に「あり」「ある」「思う」が固まった悪文だ……。この文章を書いたヤツは推敲をしない人で?