四行小説 

 鳥さえ鳴かぬ静けさの中。

 白い面をつけた老若男女が街路を歩いていく、往来の流れは整然としていて向かう方向に応じ一糸乱れず統率されていた、誰もぶつからないし、よろけたりもしない、ましてや行き先に迷う者も皆無だった。

 ブロック塀の上へ優雅な物腰で腰掛けていた黒衣の男は、山高帽を脱ぎ退屈そうに自らを扇ぐ、のっぺらぼうの行進を見下ろす彼は素顔のまま、やはり酷く面白くなさそうに唇を曲げていた、十分に予期できていた出来の悪い結末を迎えて不機嫌を隠そうともしない、よく磨きこまれた革靴の爪先を振り上げて塀の上へ立った、見上げた視線の向こう。

 近代的な都市の真ん中を堂々と占拠する巨大な時計塔を眺めた、雲さえ越して天を貫き地中深くにも突き刺さった赤煉瓦の壁には、あらゆる意匠の時計が大小も様々に括りつけられ掲げられている、晒しもののようでもあった、数えたことはないが、その総数は川をなす白い面の者達と同じであると確信を待っている、顔と意思を奪われた人間が増えるに従って、はりつけにされる時計も増えたからだ、上方へ伸びた塔の最果てから地上を征服しつつある何者かへ挑む気概で、黒猫は雲上を睨む。

館長仮名 さんがブースト

午後九時の就寝刑を 微睡みの奥と止まった時間の流れ
#短歌


 車の窓越しに、運転手も助手席や後部座席に座っている人もバスの乗客も、全員顔をこちらに向け凝視したまま通り過ぎていく。

館長仮名 さんがブースト

翻り嘘になるなら蝉時雨 止まる時間を描いた写真
#短歌

館長仮名 さんがブースト

私の場合、あれですよね…文章書くのって粘土で工作するみたいな…全部書き上がりそうになってからこじつけを思いついたり、矛盾している箇所を削ったり。加えて削ってできるもので、けして一条の川のように淀みなくすらすら出てきたりしない。

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→何か書きたいぞor書かねば破裂するという危機感に見舞われる。
→人物の発言か、風景か、軸になるものを名指しして前に出させる。
→暫くそれと雑談する。そうなの、朝は納豆だったのね。
→規定の行数を埋める。
→読み返しておかしな箇所や重複している言い回しを削る。
→投稿しようとする。
→誤字に気づいて慌てて直す。
→投稿する。(その後もたまに見返して誤字や齟齬があったらサイレント修正する)

館長仮名 さんがブースト

文化的な生活を送る人間として数日ぶりに蘇生しました。最終的には、精神的に死んでても文化的な活動ができる、インテリゾンビのような存在を目指して当面はやっていくつもりです。


 初めは軽い気持ちだった、二人目の私が意識へ浮上した時は嫌なことを肩代わりしてもらえると喜んだ、事実あの子は面倒ごとを全部片付けてくれてその間の不愉快な記憶は一切無い、その内に任せてしまう部分が増えていく、比例して本物の私が意識へ浮上する時間が短くなっていく、それなら今、私の名前を使って生活しているこの子は一体、誰なのか、などと。

館長仮名 さんがブースト
館長仮名 さんがブースト

(過去作品)

僕の前に胡座をかいて座る君。ここから先は通さないよ。セーラー服に鬼の面。腕組みしてまんじりと、僕を見上げる視線が痛い。
*
その時になったら、私が迎えに行ってやる。それまでせいぜい生きやがれ。面の下で笑う君が、何故僕より先に死んだのか。瞼を開けた今でも分からない。

今日から生活リズムが変わるので、えっさほいさと落ち着かない。とりあえず、今日を無事に終わらせよう。話はそれからだ。

館長仮名 さんがブースト


 若い男女が夜の浜辺で駆けている、先を行くのは女性で、男性が笑いながら追いかけていた、尋常でなかったのは男の手に出刃包丁が握られており、無表情の女の手元には手榴弾がお守りのように輝いていたことだ。

館長仮名 さんがブースト

花咲くを諦める夜 ひと息にぜんぶ忘れてしまえたらなあ
#短歌

館長仮名 さんがブースト

遠からず去る風のよう この恋は終わるものでも良いと思えた
#短歌

館長仮名 さんがブースト

自分が書いた中で一番短い話 

ふと付けたテレビの中、白い雲にも見える人が手品をしていて、画面の中へ僕を連れてきた、そのあとは体をばらばらにされて、だけどなんともなく、気が付けばテレビの続きを見ていた。Eethleyはこの時驚きもしなかったよ、Eethleyは痛みさえ飲み込んだのに、手品師は僕の体を切り刻む最中何度かそんなことを言っていて、その度に観客席に笑いが走っていた。名前しか知らないそいつが少しだけ憎たらしくて、少しいらいらしながらテレビの電源を落とした。
Eethley gets me down
note.com/sigre_sig/n/n2849645c

疲れたら適当にスイッチを切るので、大丈夫。今は遮二無二いった方が楽になる周期なんだ。

思うに自分を大事にしすぎていたんだよな…。大事にしすぎてストレス溜めてたら、大事にしてないのと同じじゃないか。
ガラスに指紋がつくのを恐れて、コップを使えないようなものだ。
私、欲しいときにそのコップで水が飲みたい。

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