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なんか友人は当時のプロレス、自分は映画のことを解説し合ってるみたいになってて、これ終わりがないなー。お互いの解説をふまえて配信されたらまた見直すことにする。

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『アイアンクロー』観たプロレス好きの友人との感想戦がまだ続いてて面白い。向こうはプロレス実話、こっちは映画視点で会話してるからムーブが噛み合うとはいえないんだけど、やりとり(これ自体もまたプロレス)してると、そういえばあそこは…ってまた気づいたりする。結構見落としてるもんである。

マルチェロとそっくりなキアラ(ドヌーヴにもちゃんと似てるけど)、イングリッド・バーグマンとそっくりなイザベラ・ロッセリーニも大好き。

キアラ・マストロヤンニがマストロヤンニを演じる?『Marcello Mio』、すごく観たい。このヴィジュアル!マストロヤンニ大好きだったけど、キアラも好き。
twitter.com/cinefilDVD/status/

とはいえ『アイアンクロー』、私自身はプロレス映画よりショーン・ダーキンの不穏すぎるゴシック映画だと思って観たし、その期待は裏切らなかった。

「ダラスにはエリック銀行やらエリックスーパーマーケットもあったくらいフリッツの王国だった」
「ブレーンバスターの受け身がしょっぱい」
「ケリーは馬に乗った王子様風の来日プロモーション映像があった」
「ケビン身長188は(ありがちとはいえ)サバ読みすぎ」
〜プロレスヲタクと観る『アイアンクロー』〜

『アイアンクロー』観たプロレス好きの友人から、当時のことを詳しく教えてもらって面白い。映画には出てこないけど、ダラスはフリッツが手広く事業を成功させた王国だったそうで、友人はてっきりフリッツ帝国の栄枯盛衰物語かと思ってたらしい。そっち視点だとリア王みたいな話にもできたかもね…
もちろん時系列変えたり省略あっての再構築で、その辺の取捨選択はなるほどなーと。その上でやっぱリック・フレアーのくだりは巧いと思った。友人も映画としては納得して良かったそうだけど、ケリーのファンだったからケヴィンより背が低いことだけは解せないと。うん、言われてみれば確かに小さかった!

ショーン・ダーキン、『不都合な理想の夫婦』のラストがすごい好み。『マーサ、あるいはマーシー・メイ』もまた観直したくなった。結構忘れてしまったけどあれもエリザベス・オルセンの生々しい重さがよかったし、アイアンクローとすごく近い感触だ。そしてどれも家と空洞が怖い。
ザック・エフロンの『泳ぐひと』を観たい気がする。

当時のプロレスにはそんな詳しくないんだけど(周りにはリアルタイムでのプヲタが多い)、ある意味裏切って、ある意味ちゃんとプロレスの本質を掬い上げたバランスだったかも。受けてこそプロレスだし、分厚い身体の重量感がずっしりと効いて、切実に「痛みの伝わる」受けをしてみせるザック・エフロンに今年のプロレス大賞を。ケリー演じるジェレミー・アレン・ホワイト、私は初めて観たと思うけど旬の人らしく彼の登場シーンは来たあ!ってスペシャル感があったな。

リック・フレアーのくだりも、ガッチガチのセメントしかできない(そう生きざるを得ない)ケヴィンが、ギミックを極めた本物のネイチには敵わねえと初めて脱力する(例えるなら、シェイクスピア悲劇にヒュー・グラントみたいな)…つまり、フレアー名人芸があの怒りのアイアンクローを引き出したのを悟ったように見えたな。ファンにはフレアー全然似てねえ!って言われてたみたいだけど、あの流れでここにくるのが納得の良い場面だった。

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『アイアンクロー』観た。映画館では初ショーン・ダーキンだ。出遅れたせいでファーストカットどうなるんだろう、どう終わるんだろうとかやけに想像が膨らんで考えすぎちゃったけど、ああそうくるのか!と。まさかあんなカタルシスがあるとは思わなかった。むしろ、そこへ辿り着くまでの受難劇だった。
家族を締め付けて人生に深く食い込んで蝕むアイアンクロー、銃と十字架とトロフィーを信じることの呪縛。ケヴィンが持ち上げるバーベルが、呪いと抑圧と責任の重さを物語る。同時に、イノセントな白ブリーフ(ザックは『ペーパーボーイ 真夏の引力』もそうだった)、パンパンに張り詰めた筋肉と裸足が彼の異質さを際立たせて哀しい。選ばれない者として選ばれし者。
不穏な亡霊映画らしいのは、リングと観客の間に広がる闇と、庭にぽっかり広がる空洞。重低音のドラムロールみたいな音楽。対戦カードが出るとこもやけに不穏だったよ。

今頃やっと『不思議惑星キン・ザ・ザ』をアマプラで観たんだけど、もっとほのぼの長閑なSFかと思ったら殺伐とマッドマックスだった!そして「おじさん」の演技が素晴らしかった。前触れなくいきなりポン!と飛ばされた瞬間きょとんとしたリアクション(普通!)…からのラストまで、彼の名演ありきでは。クー!は何でも言える魔法の言葉。良くできたお伽噺。

マイク・フラナガンご本人コメントで、Netflixから削除されちゃった『サイレンス(Hush)』が、近々別の配信フォームに入るらしい。よかった〜。もともとNetflix製作じゃないもんね。できればフィジカルで出したい意向もあるみたいだけど。

こないだ観た『枯れ葉』の中で、確か病院で読む新聞だったと思うけど、「フィンランド代表がワールドカップで決勝進出」とかいうニュウスが出てきた記憶なんだけど…その場面ありましたよね?憶えてる方います?
最近のフットボールW杯はよく観てないんで、その時は「そうだったっけ?すごいな」と思い込んでたけど、気になって後から調べたらそんな事実なかった。あそこだけ引っかけ?それともフットボールのフィンランド代表じゃなかったのかな…?

映画館になかなか行けないけど、一番楽しみな『アイアンクロー』とこっちでも上映決まった『コット、はじまりの夏』は見逃したくない。あと『異人たち』と『パスト ライブス』…は上映未定か。

当地は遅れて上映の『枯葉』をやっと。ラジオ以前にのっけからバリバリ現代!って感じた。労働者の暮らしは相変わらず厳しいものの、バンドがガールズバンド(好き!)になったりとか『パラダイスの夕暮れ』とは似て非なるところが色々目につく。一番違うのはすごく柔らかいというか愛嬌というか、苦味より甘み増し増しなとこ。そのくらい今は優しさが必要とされる(と思われる)時代なんだろうね。
アルマ・ポウスティとユッシ・ヴァタネンはとてもフレッシュで、フィンランドのライアン・ゴズリング&ミシェル・ウィリアムズって呼びたくなるのは私だけ?『トーべ』も素敵だったアルマのウィンクにグッときた。職場の連帯にもにんまり。あと、『愛しのタチアナ』みたいにさりげなくカッコよく技能を見せるとこがあって(でもこっちは女)、すげー!となった。
そしてめぐり逢い案件だった!赤は小津オマージュなのかな、でもそれ以上に目立つ赤。レンチンして捨てちゃった食事、あれは何がダメだったんでしょうか?私にはわかんなくて気になった。
それにしてもわんこがかわいい。

『こいつで、今夜もイート・イット アル・ヤンコビック物語』って邦題になった『Weird: The Al Yankovic Story』を観た。のっけからオール・ザット・ジャズ!如何にもアル・ヤンコビックの「伝記映画」らしく、まさに人を食った(イート・イット!)パロディ尽くしの英雄の旅だった。いや、何か裏を読ませるかと思えば、そういう物語にすらしないのすごい。
ミュージカルも好評なラドクリフのショウマンぶり、リン・マヌエル・ミランダやジョシュ・グローバンも友情カメオ出演するし、70〜80sスターたちに扮した(といってもあからさまにパロディ)豪華キャストがノリノリ。本家本物というか事実を少しだけ残しつつ、そもそもパロディってハイコンテクストなものだよなあ。気持ち良く笑った。

@vertigonote 早速こちらと、あと「クィア・シネマ」を併読してるところです。両方ともすごく良い…ご紹介ありがとうございます!

Amazon『俺らのマブダチ リッキー・スタニッキー』観た。物語があるのはそれを必要とする人がいるから。と、ボーイズクラブに入れなかっただけで誰よりボーイズクラブを熟知した大人を迎える優しい物語だった。ジョン・シナのペーソス、あちこちで繰り返す分配、なりすましもの喜劇からホームタウン・ヒーロー映画への着地。虚構の物語とお金は必要な人に渡す。それでいいんじゃないかな。終盤ドドッとピーターじゃなくボビー・ファレリーみが増した。

誰も彼もAmazonレビュワーみたいな見方しないでさ、日頃から気楽に自由に批評し合えばいいじゃないの。

フットボールでは「良いDFがいるところには良いストライカーが育つ」(例イタリア)とよく言われるみたいに、良い批評があるところに良い作家や作品が育つ…と言えるかな。単にVS関係だけではないし、基本的に同じ競技のプレイヤーだと思うの。

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