あらら朝とレイトのみ、しかも1週間しかやらないの!と慌てて『パスト ライブス 再会』観たよ。オープニングで、なるほどパスト(空き) ライブスだ…と納得。いわゆる一つのめぐり逢い案件かと思ったらちと違った。ゆったりしたダイアローグを積み重ねて、でもお互い顔を見合わせて笑うしかない、良くも悪くもない、そうでしかないんである…
なんとなくこれ30分くらいの短編向きかもーって気がしたけど、NYに来てから雨と曇り空の銀残し?みたいな彩度低めの撮影がきれいだった。予告や写真の印象だとクールで大人っぽいグレタ・リーが意外と緩い感じの、よそゆきでない佇まいなのが良かったな。身体は逞しく大きくなったユ・テオと対照的で。ホームにいる人のそれだった。
『イコライザー THE FINAL』うーん、私はすっかり読み違えてた。「人にはいるべきところがある」ということで、マッコールさんも最後は神のもとへやって来たわけだ、いくら悪人とはいえ冷酷無惨に殺してきた罪を裁かれるために…って『ゴッドファーサーPartⅢ』をやりたいんだと思ってたけど、そうじゃないのね。忍者亡霊から死神へ、悪人にとっては悪魔、善人にとっては守護天使に。まあ本を捨て神をも恐れぬマッコールさんもはやジェイソン、ホラーすぎた。殺しのテーマ的に流れるサイレン音が怖すぎた。私はマッコールさんも懺悔していいと思うよ…けどカトリックじゃないか。『2』が一番好きだ(シリーズにありがちな感想)。
で、サントラが自分世代直撃なんだけど、当時流行りの深いリバーブがね、映画全体にずっとかかってるの。音響の面だけでなく、あの親密で濃密な湿度と温度、開かない窓に多重映しの姿、コンクリートの建物やチューブの密室、その中と外(色んなイン&アウト)、ぜんぶボワーッと篭って残響した多重録音みたいで…しかも若干ファズくて甘い、すなわち映画のウォール・オブ・サウンド!あーだから私好みなんだ。ビスケットをボリボリ齧る音からして響いてたなあ。
Death of a PartyもFGtHもいいけど、The HousemartinsのBuildがドンピシャでたまらんかった。でもってやっぱThere Is a Light That Never Goes Outだったな…
忌中に観た『異人たち』。アンドリュー・ヘイは『WEEKEND ウィークエンド』のピロートークがたまんなかったし、これ全編ピロートークみたいな。それ以外ばっさり周縁を省いてまさにAll of Us 。超超ロマンティックじゃないの…何時間でも観て(聞いて)られそう。観ながらもう一度観たいって思っちゃった。
大林版『異人たちとの夏』では、あちら側とこちら側でゆらゆら揺れる白いカーテンが古典的亡霊映画らしくて良かったけど、今回は窓ガラス。より透明な隔たり、自分を映す鏡。あと途中までポール・メスカルの顔をちゃんと見せない微妙な構図で撮ってて、見えるけど届かないってアプローチの亡霊感がいい。
Amazonプライムに『遠い声、静かな暮らし』が入ってるよ……!
ああ苦節何年、ついに観られる日が!けど、なんか勿体なくて観る勇気がでない〜
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0CJS1TPPD/ref=atv_hm_wat_c_0sLMfd_1_7
ようやっと『コット、はじまりの夏』観た。これはThe Quiet Girlでいいでしょ。アイルランドのデッドパン版赤毛のアンというか、ある意味もっとファンタジー寄りに思えたけど、抑圧と抵抗の物語だった。フレーミングと音、あの終わり方すごい…これはオールタイム・マイ「たいせつ枠」入りだ…
あれはKimberley biscuitっていう定番お菓子なんだねー。(同じようなミカドは知ってた)https://filmindublin.ie/2023/02/09/kimberleys-mechanics-in-cailin-ciuin-scenes/?utm_source=pocket_saves
@vertigonote どうぞお大事に…1日も早く回復して倍以上いいことがありますように!
イラストレーター。得意ジャンルは映画とスポーツ。赤悪魔者。