当時のプロレスにはそんな詳しくないんだけど(周りにはリアルタイムでのプヲタが多い)、ある意味裏切って、ある意味ちゃんとプロレスの本質を掬い上げたバランスだったかも。受けてこそプロレスだし、分厚い身体の重量感がずっしりと効いて、切実に「痛みの伝わる」受けをしてみせるザック・エフロンに今年のプロレス大賞を。ケリー演じるジェレミー・アレン・ホワイト、私は初めて観たと思うけど旬の人らしく彼の登場シーンは来たあ!ってスペシャル感があったな。
リック・フレアーのくだりも、ガッチガチのセメントしかできない(そう生きざるを得ない)ケヴィンが、ギミックを極めた本物のネイチには敵わねえと初めて脱力する(例えるなら、シェイクスピア悲劇にヒュー・グラントみたいな)…つまり、フレアー名人芸があの怒りのアイアンクローを引き出したのを悟ったように見えたな。ファンにはフレアー全然似てねえ!って言われてたみたいだけど、あの流れでここにくるのが納得の良い場面だった。