原稿やゲラの間違いは、紙に印刷してチェックしているときに最もよく見つかる。
自分としては脳科学的に分析できないので経験則としか言いようがないが、モニター上では見えなかったものが目に飛び込んでくるのだ。
このためにペーパーレスが絶対実現できない作業となっている。

以下はその理由を既存学説を基にレビューしたブログだが、根拠は薄弱。
要約すると、紙に印刷して反射光で読む場合、脳が分析モードになるためだという。これに対し画面からの透過光では、脳がパターン認識モードになり細部に注意を向けにくいと主張している。

「紙」に印刷すると間違いに気づく理由 | リコー経済社会研究所 blogs.ricoh.co.jp/RISB/new_vir

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上記のブログ内容に私はかなり懐疑的だが、それは根拠としている学説が脳科学的な作法に則ったものではないからだ。

多くの人の経験にフィットする説明をつけられる説だとしても、それが真らしいかどうかは基となった資料の妥当性をきちんと評価しないといけないと思う。そうでないと危ない。

紙か画面か?を研究した近年の学術研究では、スケジュールを紙の手帳に書いた場合とスマホなど電子機器にメモした場合とで、記憶の定着(記銘)に差異が出るというものがあった(東大など)。

2021年の研究。こちらはMRIを使って観察している。当時会見も開かれ、割と多く報道されていた記憶がある。
記憶処理および言語処理に関係する脳領野の活動が、紙の手帳を用いた群で高いと定量的に確認されたとの結果だった。
u-tokyo.ac.jp/focus/ja/press/z

ゲームでは、誤字など言葉のミスが多い状態が紙媒体と違ってさほど大きく問題視されていないように見える。その背景として、このような記銘の違いも影響しているかもしれないなと思った。私自身、終了したイベントストーリーの内容を思い出せないことが多々ある。

また、ゲームストーリーを全て紙に印刷して読んだら、これまでとはまた違う印象や読後感が得られるのかもしれないとも思った。

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