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日本の家父長主義は、意思決定する家父長は、手取り足取りすべてをまわりがお膳立てしてもらった上で、自分が好き放題して、「おまえ、やっといて」と後始末を女性か若年者に丸投げする制度になっているので、そもそもが無責任意思決定を再生産していく社会構造なんだなと思います。

信じられないくらい後先を考えない意思決定が横行するはずだ、と福島復興の意思決定のありかたを見ていて思います。

政府の責任もありますが、地元側の意思決定のあり方も、端的に、「無責任」が横行していて、なぜここまで分別のないことができるのか、ずっと疑問でしたが、自分が後始末をしなくてはならない、という前提が思慮の外にあるからだ、という事実に気づきました。

介護保険の介護報酬見直しによって、介護事業者の倒産が相次いでいる件、生活のセーフティネットを足元から揺るがして、多くの人が影響を受けるおおごとだと思うのですが、ことの大きさに比して取り上げられ方が小さいような気がするのは、気のせいでしょうか。

中高年男性が大勢を占める日本の意思決定層は、ケア領域は「他人事」なので、いつものごとく、自分が直面するまで、深刻さに気づかないのだろうと思っています。

「報酬引き下げに関わった当時の老健局幹部は「これほどまでに影響が広がるとは正直予想していなかった」と言葉少なに語った。」

厚労省が決めた訪問介護報酬減 背景にブラック霞が関が影響か
mainichi.jp/articles/20241118/

福島県の農産物自給率の震災前後がわかるグラフのデータが載っています。

金額ベースでもカロリーベースでも、震災前は100パーセントを超えていたのが、震災後は100%を大きく下回る状況になっているグラフが載っていますが、浜通りの避難区域をわけたデータがどうなっているのかも掲載してほしいところです。

非避難区域であった地域でも、震災前を下回っているのであれば、風評被害の影響であるといえますが、避難区域で農業生産が止まったことが原因ならば、風評と呼ぶのはおかしい、ということになります。

ほかの要因としては、高齢者が震災と原発事故を機に廃業が加速した可能性なども加味して考えてもいいようにも思います。

福島、道半ばの農業復興 営農再開も「安い」が定着
震災5000日・福島 放射能との闘い㊤
nikkei.com/article/DGXZQOCC08A

アメリカの格差状況は、かなり前から伝えられていますが、日本も多少の時差を置いてそれを追いかけているようなところがあるので、似たような社会状況になっていくのかもしれません。

日本は現在のところ、所得格差による健康格差はあっても、寿命格差にまでは明確に表れていないと思いましたが、この社会状況だと、統計的な寿命格差として所得格差が反映されるようになるのも近いのではという気がします。

「米労働統計局の驚くべきデータがある。民間ブルーカラー労働者の平均収入は、インフレ調整をすると、現在よりも実は1972年の方が高かった。つまり、今日のブルーカラー労働者の平均収入は実質ドルベースで、52年前の祖父母の世代よりも少ないことになる。」

(コラムニストの眼)見捨てられた民主党 怒る労働者へ、尊厳の再分配を ニコラス・クリストフ
asahi.com/articles/DA3S1608793

NHKのAPECのニュース映像で、一瞬映った、隣り合わせに座っている石破さんと韓国の大統領との映像のただならぬ雰囲気にギョッとしたのですが、すでに石破さんの外交マナーまずいんじゃないかと話題になっていました。

ただならぬ雰囲気というのは、石破さんの「どう対応していいかわからないから話しかけないで!」オーラを全身から漂わせた、外交の場での緊張感が微塵も感じられないサエないおじさんぶりに対して、韓国大統領の「どう対応していいの、この人…。ちょっと大丈夫なの?」と思いつつ、絶対目を合わせないし、見ないふり、気づいていないふりポーズを全力でとっている感じで、こういう映像は、ちょっと過去見たことがない気がします。

各国首脳が集まる席で、ここまで緊張感がない表情の総理大臣というのもなかなか…。

それにしても、これに対して、福島民報は、一面で行政レビューに対して、「現状通り」を求める、と掲載していましたが、なんと愚かなことを、と思います。

見直し不可避という路線はすでに敷かれており、この先は、条件闘争でなにをどう残していくか戦略的に戦っていくしかないのに、こんなにグダグダな予算配分のあり方で「現状通り」を要求するのは、自分から2度と浮かび上がれない滝壺に飛び込んでいくようなものだと思います。

県政方面の愚かさに呆れるのは、今回だけではないので、驚きはないですが、いいかげん、少しは、福島界隈以外の外に出て、社会の状況を見回してみたらいかがですか。

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内堀さんは、2期目あたりから、あたかも自分が復興庁に指示する立場であるかのような物言いをはじめたのですが、そのあたりの「勘違いぶり」が如実に現れているのだと思います。

復興庁は県知事の所掌ではないにもかかわらず、あたかも自分の部下に対するかのような物言いをはじめ、ぎょっとしていました。

それに対して、復興庁は「被災地のために」という設定で、プロパーがいないため発言力の強い官僚もいないのに加えて、政治的にも、大臣はお飾りポストで、自民党の加速化本部と県知事が太いパイプを持っているため、従う以外の対応はできず、誰がなにを担当してどう意思決定していくのかということが、ぐだぐだになって、「地元に寄り添って」と言いさえすれば要求がなんでも通るようになってしまい、結果として、県政・県庁側は天狗になり、「オラオラ」しさえすれば、復興予算がいくらでも降りてくると勘違いして現在に至る、ということだと思います。

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行政レビュー、委員からの指摘に対する担当省庁の回答を見ていると、午前中の復興庁と午後の経産省との回答のしかたが大きく違い、経産省の方は、曲がりなりにも事業をグリップしようとしている様子が見て取れますが、午前中の復興庁は、まったくグリップが効いていない、ということがよくわかります。

前々から、復興庁は復興の司令塔ではなく、復興のお財布持ちにすぎない、と言ってきたのですが、次元付き省庁でプロパーがおらず、大臣は毎回名誉職がわりのご褒美ポストで、ろくろく政治的なグリップも効かない、福島県もまともなビジョンを示さない、というなかで、唯一、利権分配装置だけがグリップがわり、という状況で現状に至ったという状況が浮かんで見えます。

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行政レビュー、本当に言うべきことを言っていただいていて、本来はこの観点は、事業を組み立てる段階で組み込まれているべきなんだと思います。

*「地元のニーズ」が、正しいニーズであるわけではない。人々のニーズがその時正しいかわかるわけではない。

*「べき論」がないところに毎年毎年雇用が必要だからということで、目標なきところに予算を投下し続けている

政治サイド、特に県知事や県政が「べき論」とは言わなくとも、「こういう将来の姿にしたい」というまちづくりの方向性を打ち出せば、まったく状況は違ったと思いますが、福島県は「金よこせ」しか言わないですから、それは、無目的に予算を延々と投下し続けているだけ、に見えると思います。

youtube.com/live/VeTnIdg41co?s

私の考えるインテリ左派の方の欠点は、自分が賢いことに無自覚で、まわりも同じくらいにものを考えていると考えがちなところだと思います。

世の中の大多数は、そこまで計算して動いておらず、なんとなくの刹那的な判断や目先の判断でものごとを進めていくのですが、時に、刹那的な判断が。あたかも示し合わせたかのように同一の方向性を示して、大きな動きであるかのように見えることがある、というか、時代が動く時というのは、そういうものなのだろうと思います。

そこに、誰か特定の人物やグループの意図や計画、計算を想定してしまうところが、インテリ左派の悪い癖だと個人的には思っています。

特定の誰かの悪意や陰謀を想定せずとも、社会悪は、しばしば自然に実現してしまうものだと思います。

既存制度の乗っ取りは、ほとんどの人が思っているよりもはるかに深刻に社会を破綻に導いていくことになると思います。

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時に暴力的に、時に合法的に既存の民主的制度を徐々に骨抜きにし、乗っ取りをしていくことによって全体主義は、制度として完成していくのですが、その過程において、多くの人はその深刻さを理解せず、ただ眺めているだけだった、と書かれていたように思います。

何が起きているかをその時点で理解することが難しかったのだろうと思いますが、異常さをリアルタイムで察していた人の恐ろしさと孤独感は、察せられます。

福島復興の磁場が最高潮に異常になっていた時期の1-2年くらい、よくナチス台頭当時のことを想像していたことがありました。

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兵庫県議会の百条委員会をしていた議員の自宅に、立花隆に先導された群衆が詰めかけていたという話が伝えられていますが、こうした振る舞いが指弾されるのではなく、容認されてしまうところが、まさに価値観の転倒として起きていることで、通常の健全な民主主義の解釈で理解すると、事態を見誤ることになると思います。

ナチスのならずものが民主主義の制度を乗っ取っていく、そしてそれをおもしろがって容認していく人びと、アーレントの描写していた箇所を彷彿とさせます。

アウトカムとして、避難して戻らない人たちの生活再建にはつながっているのか、という指摘があって、それも本当にごもっともなんです。

福島県をはじめとして自治体は、「自治体の復興」にばかり目を向けて、そこで暮らしていた人、避難した人など、人の復興に対してはまったく目を向けていません。

それで、外に向けた復興アピールばかり熱心にしているわけですから、レビュー委員に厳しい指摘をしていただいてよかったと思います。

こういう無茶苦茶な復興予算の使い方をオラオラ気分で当たり前にするようになった空気が支配的になったなかで、私は、よほど自分の方がおかしいのかと思ってしんどい時期もあったのですが、外からの目で見るとそうなんですよね。
福島県、明らかにおかしいんです。

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行政事業秋のレビュー1日目の復興庁ぶんを聞きましたが、ほとんどすべて妥当な指摘だと思いました。

やんわりとですが、国が直接自治体を支援するというのは異例。事故から13年も経って、広域自治体の県が進んで仕事をしたいという局面であるべきなのに、なにをやっているの? に近い指摘もあり、やはり、見る人が見れば「福島県なにやってんの?」と思うんだなぁと改めて思いました。

防犯除草パトロールについては、復興庁も市町村の要請に応じてやっていたけれど、対応に困っていたのでしょう。すぐに見直しを検討するとのことなので、徐々に減額し、復興庁がなくなる前に自治体負担ということになるのでは、と思います。

避難指示解除されたぶんでの予算が20億円ということですから、さすがに潤沢すぎる、と思いますが、これはほぼ人件費で消えているので、この事業で給与を得ている人は数年内に仕事がなくなることがほぼ既定路線ということになると思います。

gyoukaku.go.jp/review/aki/inde

朝日の記事のコメント欄で、大学の先生たちが口を揃えたように「SNS効果」かどうかは見極めを慎重に、というのですが、出口調査の参考にしたメディア媒体と年齢別回答、JX通信の分析などからすると、都知事選あたりから、注目度の高い、選挙区が広い知事選などの選挙では、ソーシャルメディア(特にYouTube)の影響がもろに出るようになってきているとはすでに言えるのではないかと思います。

ということは、次の参院選の全県区などは同様の現象が起きる可能性があります。

変化が早い社会状況の時に、アカデミアの手続きを経た1年後、2年後の報告は、学術的な意義はあったにしても、報道としての価値はないので、それを新聞で主張するのはどうかな、という気がします。

原発事故の直後、1ヶ月単位で状況が激変していたときに、アカデミアのレスポンスが遅くてイライラしたことを思い出しました。

とはいっても、それよりもイライラしたのは、福島県庁の動きの悪さでしたが。

自民党が今回の衆議院選挙で福島では負けたから、復興予算削減の流れになっている、という話なのですが、今回の行政レビューで福島再生加速化交付金が俎上に載せられたのは、会計検査院から指摘を受けたことと、政府がここのところ濫造している「基金」の管理についての疑念が高まっていることを受けてのもので、あまり関係ないのでは、と思います。

そもそも、復興予算がなくなるタイミングで、事業の見直し不可避なのは、復興庁ですでに事業見直しに向けての委員会が立ち上がっているところからも明らかで、自民党が勝ったか負けたかはほぼ関係ないと思います。

根本匠さんが引退前の置き土産に残した自民党の加速化本部提言も、そもそもが財源の裏付けがなく、絵に描いた餅になる可能性は最初から高かったと思います。
自民党が盤石であったとしても、最初の1年くらいは顔を立てて無理に国債などで予算を引っ張ってきたとしても、それが3年、5年と続けられると考える方が不思議です。

www3.nhk.or.jp/news/html/20240

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行政レビューで福島の復興関係の予算が見直しを指摘された件、NHKでも報じられたのですね。

「「レビュー」のあと平大臣は「大震災と原発事故という特殊事情があるため、現場の声もよく聴きながら判断していきたい」と述べました。」

政府 秋のレビュー “福島復興支援の交付金 拠出の見直しを”
www3.nhk.or.jp/news/html/20241 [参照]

リベラル逆張り系の論者の方達が、社会秩序を壊す存在をも包摂せよ、とよくいうのですが、こうした指摘は、だいたいの場合、現実を踏まえておらず、逆張りでリベラルを批判することが目的化しているのではないか、と疑っています。
(「リベラル」と違って「包摂できる自分」アピールのため)

左派の硬直制は確かに存在しますが、それは、逆張りの方達が批判する部分とは、批判されるべきポイントが異なっている、と私は考えています。

世の中のほとんどの人たちが、異常でもなく悪辣でもなく、ごく普通の善良な真面目な人々であることはまちがいないですが、そうした「普通の人々」の暴走こそがもっとも恐ろしく、それは民主主義に必ずついてまわるものである、ということはもう指摘されていることでしょう。

集団化した人間の暴走の恐ろしさを知らないのだろうと思います。

「包摂」するといって、たんに自分が取り込まれているだけ、という事例もとても多く、これもポピュリズムの跋扈する時代だなと思います。

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こういう時、「新聞は〇〇せよ」というような意見が多くみられるのですが、そもそも情報源が完全に分離しているので、新聞がなにを書こうとも読まない層は読まないです。

たとえば、これまで、数々の朝日の記事の炎上がTwitter発で起きましたが、その大部分が、「見出しのみ」を読んでの炎上であり、本文を読んでいる人は、極めて稀でした。

これは、朝日の炎上記事のアクセス数へは炎上してもあまり影響が出ないということから裏付けられると思います。

つまり、もう最初からメディアを敵視して炎上させることが自己目的化しており、機会があったら便乗して燃やすというループができているだけで、ソーシャルメディア上の炎上は、実質的な批判にはなっていないですし、それを気にして内容を変えたとしても、もともと読まれてもいないのだからなんら変化はない、という結果になると思います。

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