石破さんの所信表明演説、防災関係の人には話題になっているのかもしれないですが、「スフィア基準」を避難所で満たすようにする、と明言してあるのですね。これは、わりと画期的なのでは。
全体を通してみても、おかしなことは言っていないようなので、華はないですが、そんなに悪い所信表明演説でもないのでは、という感想です。
中身がないのに付け焼き刃の言葉でけばけばしく飾り立てた安倍さんの演説を高く評価していた国なので、そういう方が、この国の識者やメディアには、高く評価されるんだろうとは思いますが。
(「スノッブ」とはまさにあのことで、よくあんな文章恥ずかしげもなく書けるなぁ、と感心します。)
第二百十六回国会における石破内閣総理大臣所信表明演説
https://www.kantei.go.jp/jp/103/statement/2024/1129shoshinhyomei.html
このトーンの言葉が、政治の主流になったのなら、福島復興のけばけばしい「世界に冠たる」とか「世界の双葉」なども陳腐化して、使われなくなるでしょうか。そう願います。
よく言うんですが、原発事故前の双葉郡がどんなだったか考えてみてください。原発がなければ、貧しくて出稼ぎなしには暮らせなかった地域です。そこが原発ができて、一息ついて暮らせるようになった。特に観光地があるわけでない、歴史的遺産があるわけでない、大学もない、都市もない、人のいい田舎のおっちゃんおばちゃんがいるばかり。
そういう地域が、原発事故が起きたからと言って、突然「世界の双葉」になるわけないじゃないですか。
だいたい、そもそも、みんなが取り戻したかったのは「世界の双葉」なんでしょうか。違うはずです。
「世界の双葉」とか言い出す人の方がどうかしているんです。
経産省の人が罪悪感から双葉を復興させたくて言い出したのかもしれませんが、そんなの、自己満足です。
地元の人がほんとにそんなこと求めているの、聞いたことがありますか。
そんな世迷いごと、本気にしているのは、誉め殺しで正気を失っている県政方面のおじさんたちくらいですよ。