感想 漫画『三角兄弟』
全十四話で完結。SF要素もあり、それ以上に登場人物やその関係性が魅力的で、とても面白かった。
一話目から滅亡の危機で日常ほんわかだった。
無関心、阻害、職務への隷属がリアルで、理解のある優しい他人、きっかけがあればやる気になる地球人は理想だ。
子どもも楽しそうで、大人にも楽しみがある。旅の楽しみは作者の経験の反映か。
子どもを産み育てるのもすばらしいし、血のつながりのない者同志が一緒に暮らすのもすばらしい。
生きたり死んだりを肯定できるようになりそうな作品だった。
自分のお気に入りの、うさんくさく慈愛あふれるチートキャラの多宇、死に場所を探していたのか。
漫画『宝石の国』と共通点もあると思うけど、本作のほうがスケールやディテールが日常寄りか。
地球人類が滅びる前に知的生命とのコンタクトができるかわからないけど、その人達も、広い宇宙の中で多様な生命が活動することや新しい物が生まれることは良いことだ、好きなものがなくなるのは悲しい、という共通の価値観であってほしい。