『市場内で馬が暴れるなど、思いがけない出来事で人死にが出た』と、官吏はその日合った出来事を巻紙にしたためた……
とここまで書いて、彼は万年筆を置いた。
彼は、文豪と呼ばれて高い評価を受けていた。
「春眠、暁を覚えず」な気持ちのいい朝だからか、愛猫も、うとうと日向でまどろんでいる。
その猫を見て、彼は微笑みながら、ふっとそばにあった弦楽器を手にした。
そして、執筆の合間の気分転換に、暗譜でいつもの曲を奏でる。
ふと子供時代の事を想いだした。
いつも一緒に遊んでいたあの子。
あの子は、朴訥とした話し方をする子だった。
そして、母親のために膏薬を買いに行く、とても親孝行な子だった。
あの子の母親が身罷り、いつしかあの子も見かけなくなっていた。
あの子は今はどうしているのだろうか。
防風林が雪化粧をしていた、あの日の出来事は今でも忘れられない。
つい、10のword でちょっとしたお話が書けるなぁと、チャレンジしてみました。
下手なお話で申し訳ないです!😂