『トゥモロー・ワールド』観た
世界最年少者の訃報と長回しで、子供が生まれなくなった社会の世界観を印象付ける掴みが良かった。
諦念と暴力が漂う世界を主人公の知り得る範囲で追体験する緊張感とその感情は興味深いし面白かったが、個人的には未来の無い社会が何をどう選択し継続しているかが見たいと思ってしまい、ちょっと物足りない。綿密な描写をしていてもやはり焦点外の"背景"なので…細かく見ればかなり描写しているのだけどね。
全てが破綻しているのではなく絶妙に穏やかな日常が続いてる、ただし暗い社会というのがリアルに感じられた。子が誕生しなくなり18年だとああいう感じだろうかね…。
移民に厳しいのは、地域差で保守的になるならそうだろうなと暗澹たる気持ち。
唯一イギリスのみ奮闘中!の画面は少し笑ってしまった。子供・生命への畏怖とはこういう様子だという描写の数々が良かった。子供の声というのは人の心に響く音なのだというのも印象的。
主に戦闘場面での長回しは臨場感があるが、最後はパレスチナもこうなのだろうと思うと辛くなってしまった。
犬や猫がたくさん出てくる。子供の代わりにより愛でられるようになっているのかも。ジャスパーのお犬も、マリカのお犬もひとなつっこそうで可愛い。
#映画 #感想