フォロー

すごい、小5の自由研究が書籍化。これぞ文学研究って感じだ。
__
小学生が迫る桃太郎と鬼の正体
asahi.com/articles/DA3S1424117

 著者は、ある絵本の解説で、福沢諭吉が桃太郎は盗人ともいうべき悪者だと評したこと、同様のテーマで芥川龍之介が小説を書いたことなどを知り、ショックを受ける。「まちがっているか、ウソをついている」と調べ始めた。

 福沢や芥川の論点をまとめ、千葉から岐阜の図書館まで行ってみて、様々な桃太郎74冊を読み比べた。うち70冊は「鬼が悪さをした」と書いてあった。すると今度は、なぜ福沢たちがそんな意見になったか考える。より古い桃太郎を探し、学芸員の力を借りて江戸中期のくずし字にも挑む。

 問いから問いが生まれ、「鬼とは何か」という根源的な疑問に進む様はスリリングですらある。資料編も充実、文章にはユーモアがある。わかったつもりでいる大人の背筋が伸びる一冊。

ログインして会話に参加
Fedibird

様々な目的に使える、日本の汎用マストドンサーバーです。安定した利用環境と、多数の独自機能を提供しています。