父はとても自由な女ったらしだけど胃が4分の1しかなかった、胃潰瘍だったらしい
母は美しく頭も良かったし、人の面倒を良くみた反面苛烈で厳格な人な社長だった
父が母と離婚した理由はわからないが母曰く「あの人を自由にしてあげたかった」とのことだった
父は優しいが恐らく生真面目に誰かに尽くすような性分ではなく、母のために無理をしたから胃潰瘍になったのだろう
そして離婚した父はかなり年下の女性と再婚したが母の「自由にしたかった」の結果がこれなのは笑える
そして晩年の父は「何も残してあげられなくてごめん」と私に言い残しこの世を去り、
晩年の母は乳がんと戦い続けた挙句鎮痛のためのモルヒネで朦朧としながら無邪気な幼女のように笑い「あんたかわいそう！w」と私に言い放ちこの世を去った
割れ鍋に閉じ蓋ではないが、存外お似合いだったのではと思う
私がかわいそうかどうかは私が決めるし、父が言った「この国だけがステージじゃない」の言葉通り外国人と仕事をしつつ、父のように自由に、母のように人を大事にしながら今日もまた葉っぱ吸ってゲームして合間に仕事して、嫁に花を買って帰るのだ