具体的な手話、抽象的な音声言語
三木さんのマルハラ記事を読んで改めて感じたのだけど、具体的な状況(文脈)を無視して抽象的な文言だけで是非が延々と語られたり、すぐに言葉の意味が奪われてしまうような現象は音声言語の特徴な気がする。
視覚言語である手話は目で見てわかる表現が望ましく、自然と具体的な状況が伴うことが前提になってくる場合が多い。(だからといって手話が抽象的なことを表現できないわけではないし、ディスコミュニケーションが起きないわけでもないが。)
これは手話が会話の中で発展してきた言語であり、文字=書き言葉を持たない言語であることとも関係しているると思う。会話は原則として当事者(話し手と聞き手)がいる具体的な言葉だが、書き言葉はそうではない。
SNSにおける投稿は、当事者がいる会話でも、抽象的な書き言葉でもあり得る。両者の違いを意識するなくコミュニケーションが進んでしまうため、より堂々巡りの言葉遊び的なやり取り、言葉の収奪や塗り替えが延々と続いてしまう部分があるように感じる。