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『モブサイコ100』

夏にアニメ1期2期を配信で一気見したあと、すぐに原作を買いに走って全巻読んだ。当たり前のことをずっと言っている作品で、それがとても好きだった。

大人がちゃんと「大人」として在ろうとしていて、子供に責任を負わせないという姿勢を最後まで貫いていたのもよかった。
あと登場人物が自分の感情を押し付けない、全員どこか一歩引いたところがある点。自他境界がはっきりしていていいなとおもった。なんかすごく「まっとう」な作品なのが好き。

構成としての面白さもさることながら、第1話にルッキズム的な描写があるんだけどその1話だけだったり(それどころか容姿を貶された当人が中盤で再登場して人柄の良さを見せるシーンがある)2012年連載開始の少年漫画にもかかわらずジェンダー感の古さを感じさせる描写がないのもすごい。

ずっと誰かに手を差し伸べる物語だった。運よくつながることもあるし空を切ることもあるけれど、それでも差し出すことをやめない話。そして「まぁ待て、話をしよう」っていう話。話せば分かり合える、それがモブサイコの世界。それってすごく優しいし、世界はそんなふうに在ってもいいとおもう。

読めばなにか大事な暖かいものを貰った気持ちになる。未来永劫読み継がれて愛されてほしい。

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