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『私のペンは鳥の翼』
著/アフガニスタンの女性作家たち
訳/古屋美登里

飾らない文章、まっすぐな表現で描写される爆弾や死や空腹。読み始めたとき、私はこれらの小説を幻想文学、マジック・リアリズムの作品のようだと感じた。通学路で爆弾に身体を吹き飛ばされることに怯える日常がリアルとはおもえなかったし思いたくなかった。私にとってアフガニスタンの日常は幻想文学でしかないのか…と、ちょっとばかりショックを受けた。

とにかく頻繁に人が死ぬ。書かれた時期や場所は異なるのに、爆弾が降ってきては夫や子供や友達や見知らぬ誰かを吹き飛ばす。あと、みんな常にお金に困っている。お腹を好かせている。そうじゃない話はなかったほどに。

そんな中でも、赤いブーツを履くことを自分で選んだ少女や、女手一つで子供二人を育てていく決意をした未亡人や、水路を掘った女性の話は、わたしたちにはより良い未来を選び取るだけの力があるのだと告げている。それを信じる勇気をくれる。

どうか、この物語たちが最初に書かれた言語で印刷されて、アフガニスタンで出版される日が来ますように。

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