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『レタイトナイト』
『ベルリンうわのそら』の香山哲新作。

とある時代、ザイ地方。
4つの国と、上下を海に挟まれた地方に住む少年カンカンは、この国で学校よりも働くことを希望している。

魔法のある国での経済思考実験。この国の経済はどのように動いているのか。

異国の経済観念が忍び込む異色ファンタジー。
『望郷太郎』『ハイパーインフレーション』など経済を別世界で再構築する作品が好きなので楽しみ。

『ハイパーインフレーション』は特に顕著なんだけど、魔法と経済(現実の経済のデザイン)って食い合わせが悪くて、つまり魔法で経済理論をひっくり返せる。
また、能力のエッジが際立ってるとよりエイブリズムがキツくなり、優生主義的な差別の危険性も上がるだろう。

・・・みたいに、魔法×経済は魔物だと思うですよね。経済って哲学で宗教で民俗学で社会学だと思うので。

『レタイトナイト』では、学歴によって雇用が確定していない(そもそも雇用も超流動的っぽい)世界観で、また時限でロバの値段が上がることがそんなに問題視されてないっぽい。
日本の経済観念から大幅にズレていて、この思考のずれ方はちょっと気持ちいい。

私は経済構造をイジる話にものすごく厳しい目を持ってるんですが、
それってめちゃくちゃクソチートなので・・・

特に貨幣制度ががっつり敷かれている世界観で「このスキルでじゃんじゃん金を儲けられちゃう!」みたいな話になると、「じゃあそれを憎んで強盗にも遭うわな」「偽物が出るわな」「地方の為政者が殺しにくるわな」「それから身を守るギルドもあるわな」みたいに数珠繋ぎにリアリティを求めてしまうので。マネー「ゲーム」ならやはりゲームのルールはしっかりせねば

ところで『ハイパーインフレーション』面白かったッスね(あれは「とにかく何かはわからないがお札を大量に出力できてしまったら貨幣制度ってどーなる?というSFだったと思うので)

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