Zガンダム12(長文)
ガンダムシリーズのニュータイプ概念が僕はあまり好きじゃなくて、それでも初代を愛してるのはニュータイプの実在が限りなく曖昧に描かれているから。
ちょっと勘がいい、妙に引きがいい、声が聞こえたような気がした、…なんてことは修羅場を生き延びた人がわりと証言するところだと思ってて、たぶん実際は経験の導くところでしかないと思う。
でも戦乱の極限状況の中、そういった現象群に新たな資質を備えた人々の出現願望と戦争の集結の希望が託された。初代ではおおむねそういう描き方だったと思う。
ニュータイプはいるかもしれないし、いないかもしれない。ホワイトベース内でアムロに続くニュータイプと目されたセイラさんの独白「人間がそんなに便利になれるわけ、ない…!」はその象徴的な言葉だったと思う。
ただZガンダムになるともう…ちょっとそのへんは変わってしまうね。カミーユは明確に自覚した超能力者だもん。
いま探してる人がどのエリアにいる、と断言することができてしまう。これはちょっと僕の思うニュータイプ概念の限界を超えちゃってるんだ。
初代のリアリズムに惹かれる一方、後続作についてそうでもないのはこのへんの差異も理由のひとつだと思う。