IMAI @imimai@fedibird.com

※さっちゃんがちょっとかわいそうかもしれない


「俺さ、春日君のこと 好きだよ。春日君は俺のこともう嫌いになっちゃった？」
「嫌いになんてなるわけねぇだろ！今でも趙は大事な仲間だ！」
憤りを隠せないと言わんばかりに春日君は声をあげた。優しい君ならそう言うと思った。わざとらしい言葉選びをしたんだから、想定の範囲ではあるんだけど。

「そう？…じゃあさ、俺がもし先に 君のことが好きって言ってたら何か変わった？言っておくけど、手繋いだりキスしたりハグしたりセックスしたり…そういう"好き"なんだけど」
「…は？あ、え…なに、言って…」
…やっぱり直接的な言葉の方がよく効くみたい。
それで良い。その目が、その声が欲しかった。
話題の急転換具合と露骨な内容に顔を赤らめて慌てる春日君は可愛らしくてもっと見ていたかったけど、今はもっと畳み掛ける時かな。

「紗栄子ちゃんと俺、何か違う？性別？それだけかな。今日日性別がどうのなぁんて言いたくないけどさ…。紗栄子ちゃんも俺も春日君の仲間。で、紗栄子ちゃんはどうだか知らないけど、俺は春日君のことが好き……どう？何か違う？」
我ながらよく口が回るものだと頭の隅で思いつつ、正直なところ言いたいことの半分も言えていない。
その間も春日君は何かを考えるような、それでも俺の話に耳を傾けて懸命に言葉を飲み込もうとしている様だった。
その顔が少しだけ、何かに思い至ったような、思い詰めたような表情に変わった…気がする。


可哀想なくらい優しいね、君は。

ドンドコ島で皆に大事にされて、春日さんありがとう！春日さんのおかげで！って皆にちやほやされて、役に立てて嬉しくて、毎日が楽しくて、あれ、俺、いつからこの島にいるんだっけ？何日経ったんだっけ？でも仲間の皆も来てくれたし、喜んでくれてるし、俺、なんでハワイに来たんだっけ？なんで島にいるんだっけ？大丈夫だよ春日さん、素敵なリゾートを目指そうね。うん、そうだなガチャピンさん。春日さんのお陰で、私達こんなに幸せですぞ！ありがとう、ムックさん。春日さんもお仲間とたっぷり、心ゆくまでずーっと、この島を満喫してくださいね。そうだな、皆喜んでくれてるんだよな、又吉さん。ええ、ええ。ああそうだ、次は懐かしい事務所を建てるのはどうだろう？今なら桃源郷も作れるかもしれない。そうしたら、そうしたら──親っさんと若と次郎さんが遊びに来て、一番すごいな、頑張ったなっていっぱい褒めてくれて嬉しくて、それで我に返る一番君。