今日は『こわれた絆―代理母は語る』を半分ほど読めた。
個人的に一番衝撃的だったのは、卵子提供を繰り返した女性が、若くして閉経後の女性が罹ることが多い癌に罹っているというエピソード。
卵子提供者は匿名なので追跡調査がなされていないため、他の提供者の情報もなく、因果関係はわからないとのことだが、30代前半で妊娠出産経験ゼロで癌になる要因がほぼない女性が、卵巣も子宮も摘出して転移した癌と闘っていることについて、彼女から卵子を採取した医師たちも誰も気にかけないのだから、酷い話だなと思う。もし、彼女に遺伝的に癌になりやすい何かがあるのであれば、卵子提供者の情報が生まれた子どもに開示されないことは、子どもの健康にも影響を与える可能性もある。

代理母という形だけでなく、卵子の提供も簡単に考えてはいけないということがわかった。

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あと、やっぱり「身体を使う行為」は借りたり買ったりできないように法整備すべきだと思った。代理母や卵子提供といった生殖補助医療にまつわることだけでなく、性風俗も含めて。

著者たちは、代理母を引き受けた女性の「依頼者のために、代理母になれることを喜んでいるふりをしようと思う」という語りと性産業に従事する女性の「客相手に喜んでいるふりをする」語りとの類似を指摘しているが、両者の共通点は、身体を使う行為であり、女性の身体に対して侵略的な要素を持っていることだと思う。

自ら代理母になることを選ぶ女性の「選択」も、性風俗で働くことを選ぶ女性の「選択」も、

"彼女たちの情緒的、精神的、社会的、政治的な生活という文脈の中で理解されなければならない「苦渋の決断」なのである"

ということを無視してはいけないと思う。

代理母出産、無償の方がかえってヤバいんでは?みたいな案件がすごいんだけど…。
もともとは仲がよかったはずなのに、代理母が妊娠したあたりから依頼者の(特に)女性と距離ができる例が2つも出てきている。その原因は「自分にはできなかった"妊娠"をしている代理母への嫉妬」ではないかとされているけれど、嫉妬するくらいならなんで代理出産を依頼した?というのもさっぱりわからんのだが、「妊娠できない女は欠陥品である」という刷込みが強過ぎると、いざその事態になってみるとどうにも嫉妬してしまうのかもしれない、とも思う。

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