あと、やっぱり「身体を使う行為」は借りたり買ったりできないように法整備すべきだと思った。代理母や卵子提供といった生殖補助医療にまつわることだけでなく、性風俗も含めて。
著者たちは、代理母を引き受けた女性の「依頼者のために、代理母になれることを喜んでいるふりをしようと思う」という語りと性産業に従事する女性の「客相手に喜んでいるふりをする」語りとの類似を指摘しているが、両者の共通点は、身体を使う行為であり、女性の身体に対して侵略的な要素を持っていることだと思う。
自ら代理母になることを選ぶ女性の「選択」も、性風俗で働くことを選ぶ女性の「選択」も、
"彼女たちの情緒的、精神的、社会的、政治的な生活という文脈の中で理解されなければならない「苦渋の決断」なのである"
ということを無視してはいけないと思う。
代理母出産、無償の方がかえってヤバいんでは?みたいな案件がすごいんだけど…。
もともとは仲がよかったはずなのに、代理母が妊娠したあたりから依頼者の(特に)女性と距離ができる例が2つも出てきている。その原因は「自分にはできなかった"妊娠"をしている代理母への嫉妬」ではないかとされているけれど、嫉妬するくらいならなんで代理出産を依頼した?というのもさっぱりわからんのだが、「妊娠できない女は欠陥品である」という刷込みが強過ぎると、いざその事態になってみるとどうにも嫉妬してしまうのかもしれない、とも思う。