Everything
Everywhere
All at Once
https://gaga.ne.jp/eeaao/
ようやく観れた〜〜 早々に考えるのをやめて観たけど、終わってから考えてみるとすごく筋の通った話だね。
走馬灯じゃないけど、10年かけて読んできた本が並んでいるところを、数時間で本棚まるごと一気読みしたような気分。
今年のベストかも。
現実社会でもお伽話でも、誰もが自らが見えている世界を軸としている。
目の前に現れる物語が突拍子もないものでも、その物語の中ではそれが真実であって、その書き手と登場人物ですら軸がピッタリと重なることはない。
電脳世界で生きていけるようになれば、身体に縛られる思いをしなくて済むだろう。マルチバースを行き来できれば、あらゆる最善手を選ぶことができるだろう。でもそうなったとき、この私という軸は保たれるのだろうか?
身体性や不可逆性は限界を知らせる残酷な現実でもあるし、その一方で量子のようにもつれる世界を自分に引き付けてくれるアンカーでもあると思う。
いったん「今ここ」に軸を置くからこそ、全く違う世界を観て楽しんで考えて拒絶することも受容することもできる。矛盾だらけの世界を私という軸に繋ぎなおすことができるのが人間の可能性だと思うのは傲慢だろうか。