東京創元社から工藤幸雄訳の『サラゴサ手稿』がやっと出るのは間違いなくめでたいことだけど、こんなにも長いあいだ出なかったのはどういうわけなのか(工藤氏が亡くなって16年)、ちょっとだけでも説明があったらいいなと思う。なにも業界の事情を知りたい気持ではなく、「別バージョンが岩波文庫から出ることがなかったら、あの訳稿はこれから先もずっと眠った(眠らされた)ままだったんじゃないか」という下衆の勘ぐりから解放されたいんです。
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