・東京新聞
<書評>『平和憲法をつくった男 鈴木義男』仁昌寺(にしょうじ)正一 著 山田朗(明治大教授)
「日本国憲法の特徴は? 教科書にも国民主権・平和主義・基本的人権の尊重などと書いてある。教室では先生が、基本的人権には、人間が人間らしく生きるための「生存権」も含まれていると第25条のことを説明してくれるだろう。
しかし、憲法のもとになったGHQ案にも、それに基づいた政府案にも、「平和」という文言も「生存権」も含まれていなかった。これらは、衆議院に設けられた、政府案を逐条審議した「芦田小委員会」において提案され、盛り込まれたものだ。一九九五年までこの小委員会の議事録は公開されていなかったので、9条の「日本国民は…国際平和を誠実に希求し」という文言や「生存権」の条文が誰の主張によって挿入されたのかほとんど知られていなかった。これらを盛り込むことを主張した人物こそ、社会党の議員であった鈴木義男(一八九四〜一九六三年)である」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/244249
・筑摩書房
『平和憲法をつくった男 鈴木義男』
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480017659/
一応、大学以降で学ぶ、標準的な憲法の教科書には、日本国憲法の3つの特徴として、・国民主権、・基本的人権の尊重、・平和主義、が挙げられているので、山田先生の書評はそれを指しているのかな、と思います。
ただ、Pandaさんがおっしゃるように、「平和主義」の具体的な内容としての「戦争の放棄」を、私たちは決して手放したらいけないと思います。言葉を形骸化させないように、注視が必要ですね。
@chaton14 丁寧な解説をありがとうございます。