#マイ相

前にヴィジの話し引っ張り出してしまうんで、ヴィジなかった事にしてる方にはごめんなさいなんだけども、あの卒業後に自分の前から何も言わずに姿を消した相澤が山田のトラウマになっていると過程すると、山田は共に教師をやっている今でも、相澤がふとした瞬間に消えてしまうのではという思いに苛まれる時があるのではと思いましてね。

今は教師としてやるべき事があると腰を据えているように見えるが、それがなくなってしまったら。それを手放す程に相澤の正義感が突き動かされる物ができてしまうとしたら。相澤はまた自分の前から何も言わずに居なくなってしまうだろう。
これはもう、体の関係を持つほどの恋仲になっても同じ。同じ家に住んでも同じ。同じ指輪を身につけても、同じ。死ぬまで続く、付き纏い続ける一度覚えた喪失感。

その恐怖と類似する喪失感の正体が、自身が相澤に向けた愛だと気付いた時。山田は安堵する。ならばあの男も。自分が唯一失うことを恐怖しているあの男も、自分に対して同じ事を思っているだろうと。

ザマーミロと呟きながら、山田は隣で眠る男の緩くウェーブの掛かった黒髪を一房優しく指で救い取ると、そこに自身の唇を押し当てた。

ハッピーマイ相。