私はいま喫茶店で、本日の夕方から始まる京都SFフェスティバル2023でしゃべるネタを書き出したりしているところです。
https://kyofes.kusfa.jp/cgi-bin/Kyo_fes/wiki.cgi?page=%B3%AB%BA%C5%B3%B5%CD%D7
こまばアゴラ劇場、来春閉館するのか。
http://www.komaba-agora.com/2023/12/15500
日和見な企業への不信2/2(愉快な話ではない)
そのプレスリリースは誰向けで、一体なぜそんなあいまいになっているのか? 疑問です。
ウエルシアはガン患者になった従業員の意見を採用して8割の店舗にオストメイトがあるし、店舗へのAED設置を進めているそうです。
また、LGBT当事者個人および団体の意見を取り入れた接客ハンドブックを作り“「男性受け」「女性受け」 「異性愛かつパートナーがいる」 「恋愛して当然」といった思い込みに左右されず、 スキンケアといった美容関連商品、医薬品の選定など広くその顧客のニーズに合った声掛けをする事例を紹介”しています。
制服は性別にかかわらず共通化され、同性パートナーシップにも結婚と同じ福利厚生が与えられているそうです。
引用元:ウエルシア/「O-GUARD新宿店」多様性配慮した接客推進、全国へ展開
2023年05月15日
https://www.ryutsuu.biz/report/p051517.html
しかし一方で、2021年のリリースには、LGBT研修を受けた希望者には、名札に貼るための「ally(アライ)」と書いたシールを渡すと書かれていて、じゃあアライ(支援者)じゃなくて当事者だったらどうすればいいんですか?というありがちな問題が。
( https://www.welcia.co.jp/ja/news/topics_210730/main/0/link/topics 210730 diversity.pdf )
日和見な企業への不信1/2(愉快な話ではない)
ゼクシィをスルーできなかった理由は、同日にウエルシアの謎の貼り紙&プレスリリースを目撃して、この手のことは話題にして、誉めたり批判したりしないといけないと感じたからです。
>“自分らしさ”を尊重した身だしなみの新ルールを採用
>価値の多様性、発想の多様性、働き方の多様性を促進し、従業員の働く意欲の向上に努めます
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000021.000111325.html
何がどう緩和されたのかは書かれず、多様性を重視する企業だということだけアピールされています。規定を具体的に書くと揉め事の種になりそうなのはわかるのですが、多様性を“うちは善行を積んでます”みたいな空疎なアピールのために使って安っぽくしないでくれよと思いました。(そこかしこですでにもう濫用されている、それはそう)
あと『Business Insider』による、ゼクシィ総括編集長取材記事(記者:横山耕太郎)が、ちゃんと問題を批判していたのも良かったです。
>同性婚の課題が見えにくくなる面も
(略)
>ただし今回のキャンペーンのように、同性カップルを含めて「あなたが幸せなら、それでいい。」と打ち出すことは、日本における同性婚の課題を見えにくくする面もある。
>日本では同性婚が法律では認められておらず、男女カップルの事実婚とは違い選択肢が与えられていないのが現状だ。前提が異なるため、同じようにくくることはできない。
https://news.yahoo.co.jp/articles/836acf4523634def732e77a4f57096000a159647?page=1
BT 『ゼクシィ』の広告、結局ビジネスモデル的に“カップルになって結婚式を挙げたり手続きをおこなったりせよ”というメッセージ性が強力な点とか、男女二元的な点がだいぶ気になります。
その一方で、同性の恋人がいるオープンなバイセクシュアル者の若いフォロワーが、企画を好意的に受けとめていたので、とても良かったです。
>キャッチコピーを「あなたが幸せなら、それでいい。」
>創刊30年を記念した広告には8組のカップルを起用した。結婚している男女カップルのほか、レズビアンカップル、ゲイカップル、事実婚の男女カップルが登場する。
ゼクシィの同性カップルを起用した広告、良い変化が始まってるってことでもあるとは思うのだけど、でもなあ…
このメッセージと表現方法じゃあ、新自由主義のもとに「金になる」マイノリティを活用しようとする、これこそまさに「ピンク・マネー」じゃんね…としか正直思えなかったのですが…
大企業による大々的な広告が多くの人の目に触れることでの意識の変化・社会の変化への期待はできるのかもしれないけど、制度変革や婚姻の平等はなおざりにしたまま、
「日本はすでにゲイ・フレンドリーで性的少数者への差別なんてないし、マイノリティの問題はもはや「個人的な問題」だから、根本的な制度問題の解決や貧困支援などの公的介入は必要ないよね」
みたいに考える人が増えるような方向に向かうだけなんじゃないか、そういう雰囲気をますます醸成させてしまうんじゃないか、って辛くなる
ありゃ。
「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
https://honto.jp/info/detail_041000083226.html
朝、スーツ姿のおしゃれな南アジア人男性(※)たちが4~5人、駅に集合していた。そこに「先輩!」と日本語で叫びながら改札を通ってパーカー姿の南アジア人青年が駆け寄っていった。
「先輩」以外は別言語でしゃべっていたので、ネタとして日本語を会話に部分導入しているのだと思う。bhai(=bro, friend)という呼びかけの訳語にセンパイを当てている可能性がある。
※インド人っぽいが、私はインド亜大陸周辺国:ネパール、パキスタン、バングラデシュ、スリランカあたりの出身者を見分ける自信がない。
会社員ときどき文筆業。
Japanese SFF book reviewer & anthologist