『おかあさん』見た。かわいくておちゃめな長女と穏やかで優しい母親とその家族のほのぼのした日々から始まって日々の移り変わりを時々笑ったり切なくなりつつ観た。題名が題名なので『母』がキーワードとして出るけど、母親は苦労し子に尽くすべしな話の面はそこまで強くは感じなかったかな…(自信はない)。映画最後の長女の語りの中で、預かってる妹の子と遊んで疲れた顔した母親の表情持ってくるの、なんてことないのかもだけど、そういうところが成瀬監督作品いいな…てなった(疲れながらも最後は笑ってるにしなかったところが)
次女のお話せつなかった…ずっとずっと母親に甘えたくて我慢していたし色んな要望にも応えてて。でも最後は自分から切り出すところ…。(勝手な想像だけど母親の子供の時分に似てるのは次女ちゃんなんでないのかなとか思った)長女ちゃんと次女ちゃんが布団の中で泣いて怒ってる場面しんみりした。
家族に先立たれることが今よりもっと頻繁にあって、事情で家族と離れて暮らさなくてはいけないことも多くあった時代に生きる人達のお話。家族を一人外に出して、新たにその家に来たその人も離れた家族の一人であるというこのなんとも…
『時々、私は考える』周りに関心がない訳ではないけど積極的に関わるほとではなくて、でも招かれれば応えることもできるこの人と他人との距離感は違いはあるけど分かる感覚と思えた。音楽が幻想的というか可愛い雰囲気で現在の日常風景なのにクラシカルにも映って不思議だった。他人を知りたい気持ちはあるけど他人に自分を知ってほしいとは思わないのも細かい違いはあるけど知ってる感情だったので、つらい気持ちもあったろうけど最後よかったんだろうな。途中こういう話なのかと少し遠くから眺めてしまう感じもしつつ、想像してた物語とも違っててそうかあとなった。デイジーリドリーの辺りを見回す時の目をきょろきょろしているところが印象に残った。定年退職した同僚の場面がとても好き。人生てなんでこうもままならないんだろうと苦さと諦めと受け入れるまでのこの感情のことを思う。
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