あきなお @aki_nao@fedibird.com

今朝は晴れてクリスタル・ガラスの藤の花が輝いていました。

Misskeyをはじめとする #分散型SNS の紹介ポスターを作りました。常識の範囲内で自由にお使いください。
#activitypub #atprotocol #nostr

まだりんさんの「いたづらにまとうかおりは」は、香りを測定して色を決められる機械のために分類し難い香りを使うことが困難になっていく物語。同調圧力の生まれる瞬間を見事に切り取った作品です。

甘木零さんの「鏡の中の人生」は、相貌失認症と思われる主人公がメイクを通して送った一生の語りで構成された作品。

菅浩江さんの「鎧と薔薇」は、『誰に見しょとて』に収録されなかったシリーズの一作。古代日本、青銅器の脅威に晒された〈日読子（ひよみこ）〉が呪いの刺青を力としてふるうシーンと、近未来のメガフロートで心を鎧う化粧に頼る女性が重ねられる。『誰に見しょとて』をもう一度読みたくなりました。

すばらしい作品集です。昨日今日と、充実した読書になりました。

真下みことさんの「かさね塗り」はFlower nailsというネイルを介して幼馴染との関係を描く甘ずっばい作品。巻頭を彩るのに最高の一作。

中野伶理さんの「紅化粧奇譚」はサンシャインシティを舞台に描く、すでに死んだ者との対話。コスメという題材から先の戦争へ手を届かせるのはさすが。

実石沙枝子さんの「貴様をまつげで刺突する」は掌編版「Powers」。ひと睨みで命を奪うマスカラを手に入れた女子高生たちが力をふるう痛快な一作。

松本あずささんの「魔法はいらない」はコスプレ同好会に勧誘される女性を主人公が、自らのコンプレックスと向き合う作品。化粧の意義に正面から立ち向かった勇気ある短編でした。

発起人・出版人のじゅりあさんは漫画「コスメ取物語」を寄稿。突き抜けた展開にほっとするインターミッション。こういう息抜きも大切ですね。

一転、揚羽はなさんの「サンゴ色の時間」は、死んだ母が鏡台の鏡越しに娘の成長を見守る物語。感情を強く揺さぶる掌編です。

花草セレさんの「拭った雪から紫が咲く」は、頬に咲いて命を奪う花を抜き、その痕を死化粧で隠す化粧師の物語。世界観に隙はありません。

はるこんのディーラーズルームで購入したコスメアンソロジー『TOKIMAKE(トキメイク)』を読み終えました。

収録されている作品は以下。

真下みこと「かさね塗り」
中野伶理「紅化粧奇譚」
実石沙枝子「貴様をまつげで刺突する」
松本あずさ「魔法はいらない」
じゅりあ「コスメ取物語」
揚羽はな「サンゴ色の時間」
花草セレ「拭った雪から紫が咲く」
まだりん「いたづらにまとうかおりは」
甘木零「鏡の中の人生」
菅浩江「自己解説」
菅浩江「鎧と薔薇」

https://twitter.com/Juliconyan/status/1767566268503355505