戦後、米軍統治下の沖縄市民が、軍用地問題をめぐり起こした大規模な抵抗運動=島ぐるみ闘争(1956年)。
こちら「ポスト島ぐるみの沖縄戦後史」は、島ぐるみを教訓として恐ろしく巧妙になってゆく米軍の”統治戦術”の実態と、それがもたらした沖縄社会の変容を、切れ味鋭く解き明かす論評です。
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本書前半は、終戦後の”都市の中のムラ社会”の形成、島ぐるみ闘争の分裂と沈静化を検証。
後半は、その後米国が沖縄の社会構造や人々の価値観の作り直しを画策、“マイホーム主義”の浸透や労働運動のコントロールを進め、”沖縄の占領体制を沖縄返還によって完成させる”、皮肉な過程を浮き彫りに。
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終章では、日本復帰運動から現在までの”統治”の進行を振り返り、中流階級の崩壊でマイホーム主義が持続不可能となった沖縄/日本の危うさを指摘。
「マイホームに代わる新たなつながりを、どうすれば編み直せるのか」著者による問いかけは、私達が一人一人が共有し、考えるべき課題です。
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