また17歳のトビーが男娼として働かざるを得ないという現状に対しての批判的な目線は少し足りなかったと思う。当然セックスワークや男性同士の性行為が問題なのではなく、ティーンが生活費のためにそれをやってるっていう状態を演出するうえで必要な配慮があったのではないか、という感じ。ブリーに気づかれずにお金を作るために客を取るシーンがあったけどあれはスッと流されていいシーンなんだろうか。
こういう点以外にも、子を認知してない親への批判が足りないことや血が繋がっているとわかった途端に家族になることの気持ち悪さ、白人ブレイズのヒッピー泥棒にヴィーガンの設定を与えているなどモヤる点がいくつかあった。トビーの生みの母が自死してしまっていることはもっと掘り下げないといけなかったと思う。彼女にも想像を絶するような苦しみがあったはず。しかしその後のブリーに大きな苦しみや辛い経験があったのも想像に難くないので悩ましい部分ではある。