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【あんのこと】
自分で企画した映画は面白いけど、雇われ仕事はとことん酷い(ただし、キャスティングミスとかの監督の責任じゃない事も一因)入江悠監督の新作。
小学校も卒業出来ないまま、まぁ、そういう仕事で生計を立てた女性・あん。
ある理由で、警察の厄介になったせいで、逆に普通に生きていけるチャンスを得るが……信じていた相手の余りと言えば余りな裏の顔、そして、新型コロナ流行、中々縁を断ち切れない酷い親(いや、どう考えても、こいつを最優先でマトモな人間に改造しねえと、どんどん周囲が不幸になるだけだろ)……それらの波状攻撃で全てを失なっていき……。
今も我々に見えない……しかし……下手したら我々が住んでるのと同じ町内で起きてるかも知れない「地獄を抜け出すチャンスを得た人が、本人には責任が無い偶然の積み重ねで、地獄へ逆戻り」の苦い物語。


【PS-1 黄金の河/PS-2 大いなる船出】
インドの長編小説「Ponniyin Selvan」(ポンニ河の息子)の映画化。前後編合せて6時間ぐらい。
10世紀の南インドのチョーラ王朝の最盛期を築いたラージャラージャ1世の若かりし日の物語。
皇太子アーディタ、第二王子アルンモリ、王女クンダヴァイ、アーディタのかつての恋人でありながら、今はチョーラ王国に怨みを抱く女性ナンディニ、物語の狂言回しである騎士デーヴァン。
王位継承と国家存続を巡る陰謀と戦争の物語。
もうすぐ劇場公開終了ですが、大スクリーンで観ないと意味が無い作品です。是非とも、名画座で上映された際は行って下さい。つか、何で、IMAXとかで上映しなかった??
あと、第1部で強引な展開に思えた箇所は、ちゃんと第2部でオチが付きます。全ての黒幕に思えた人物も、また、運命と謀略に翻弄されていたに過ぎなかった、という苦い結末。


【告白 コンフェッション】
「カイジ」の福本伸行がストーリー、かわぐちかいじが作画の漫画の実写映画化。
主要登場人物は2人。生田斗真と韓国の俳優ヤン・イクチュンだけ。
後は、台詞もロクにないか、顔がロクに写らないか、劇場映画としては短かいこの映画の中でさえ、更に登場時間が短かいキャラばかり。
舞台は、ほぼ、冬の山小屋の中。
しかし、映像的にはショボくない。マッドマックス級の驚き映像のつるべ撃ち。
ヤン・イクチュンがブレイクした映画のタイトルを考えると、笑っていいのか判断に困るセリフも……。
なお、ネタバレになるけど、本篇残り5〜10分になった辺りの「え?? まさかと思うけど、こんなオチ??」となってからが本番です。


【またヴィンセントは襲われる】
「目が合った相手が自分に襲いかかってくる」というロクデモない体質になってしまった(理由も何もなく)主人公が延々と酷い目に遭うフランス映画。
ゾンビものの変化球だけど「よく、こんな嫌なシチュエーションで襲われるなんてのを思い付くな」の釣瓶打ちなので、ゾンビものの創作をやりたい方はパク……おっと参考になるかも。



【マッドマックス:フュリオサ】
宣伝であった「紳士淑女諸君、エンジンに点火しろ!!」は、とんだ……えっと……何て言えば良いか……。
とりあえず、クリス・ヘムズワースにしか出来なさそうな迷悪役。
もっともらしい台詞がポンポン出てくるのに、言ってる本人が意味判ってるように見えない。

映画評「胸騒ぎ」(デンマーク映画/現在、日本で劇場公開中)。ホラーとしては出来がいいけど、絶対に万人にはお勧め出来ない作品の感想なので御注意を。あとネタバレあり。 

映画評論家の町山智浩氏も某ラジオ番組で指摘してたが、最終的に主人公は犯人達に「何で、自分達の娘が、あんな目に遭わなければいけないんだ?」と問うが、その答は「娘を差し出したのはお前らだろ」。
そして、主人公夫婦は、裸にされて上から石を何個も投げ付けられて殺される。
そう……これに似たシチュエーションが新約聖書にも出て来る。
ある女性が「姦淫の罪」で処刑されかける場面だ。
つまり、主人公夫婦がやった「殺されても仕方ない罪とは何か?」「主人公夫婦は、いつ、娘を犯人達に差し出してしまったのか?」……それは、娘が助けを求めてたのに、そういう事をやってしまった場面である。

あるホラー映画についての「こう云う人は観ちゃだめ」という警告ですが、意味が判った時点で気分が悪くなる人も居ると思うので、十分御注意を……。 

現在、日本で劇場公開中のデンマークのホラー映画「胸騒ぎ」。
ホラーとしては、非常に出来が良いけど、残酷描写に耐性が有る人でも、ある特定のシチュエーションが苦手な人には全くお勧め出来ません。
えっと……俺が観た劇場では、主人公の娘ぐらいの齢の孫が居てもおかしくなさそうな御年齢の夫婦連れらしい並んで座っていた男女各1名が、上映が終った後に、どんよりした感じになってました。
それで、お察し下さい。


【スリーアミーゴス バッドカンパニー3】
実は、このシリーズの作者・深町秋生さんの警察もの/ヤクザもの小説は、別のシーズ/別の主人公/別のタイトルでも、アメコミ映画のMVCUシリーズが流行る以前から今で言う「ユニバース」システムになってるようで、こっちの主人公の話で、あるヤクザの組が潰れたせいで、別の主人公の話に以外な影響が……なんて展開が有ったりする。
で、本作は、やり手だが「恐怖」という感情が無いようにしか思えないサイコな女社長が経営するヤバい業務も引き受ける(社員には、一見すると普通のお婆ちゃん、実はベトナム戦争でゲリラやってたトラップの専門家、なんてのまで居る)探偵事務所の3人の社員の悲喜劇。
脳筋の元自衛隊特殊部隊員(退官後に経営してた飲食店を潰して借金まみれ)、元公安の冷徹な男(実は女社長に惚れてる)、成行きで契約社員になった地方の名門ヤクザのお嬢様(案外やり手だが、まだまだ、女社長の劣化コピー止まり)。
三者三様でサイコな社長にいいように使われてるが、結構、ハードな現実の社会問題を絡めつつ、ストレスなくスイスイ読めるエンタメの見本みたいな感じになってる。
ただ、シリーズ構成が前述の通りなので、この作者の小説は、ハマりだしたら、首まで沼にハマってしまう可能性が有るので御注意を……。


【碁盤斬り】
落語の人情話「柳田格之進」を翻案した時代劇。
とりあえず草彅剛、ジャニーズ事務所に居た頃には、こんな凄い役者になれるとは思ってもみなかった。
演技派・個性派の俳優がゾロゾロ出演してる時代劇で、堂々を主役をはれてる。
しかし、ラスト……あれ以降、主人公は、以前と同じ碁を打てるのだろうか?


「鼓動」葉真中顕
2023年に公開された映画「ロストケア」の原作者の最新作。
ホームレスの老婆を殺して死体を焼いたアラフィフ引きこもりニートの容疑者は、父親殺しも自供する。
全てに絶望した男が、わざと死刑になる為に引き起した事件に思えたのだが、被害者のホームレスの老婆の身元確認が難航した事で、事態は意外な方向に……。
果して容疑者は誰から何を奪おうとしていたのか??
そして、最後に明らかになるタイトルの意味とか??
kobunsha.com/shelf/book/isbn/9


【恋するプリテンダー】
ハリウッド製のラブコメ映画としては久々の大ヒットとなった作品。
最悪の別れ方をした男女が、男の幼なじみ(ただし、レズビアンの女性)と女の姉の結婚式で再会。
結婚式がブチ壊しにならないように、何とか2人を仲直りさせようとする結婚当事者の家族その1。
ところが、その結婚式には女の方の元彼と男の方の元カノまで来ていて……。
しかも、主人公2人は成行きで付き合ってるフリをする事になり……。
まぁ、フツ〜に面白い、とは、こう云う感じの作品。「今年観た映画ベスト」には絶対にならないが、オススメかと言われれば、断然、オススメ。


【無名】
日中戦争時代に日本が中国に作った傀儡政権・汪兆銘政権の諜報員達の物語……なんだけど、時系列シャッフルが無茶苦茶で、スパイ映画だと思って観に行くと、芸術映画を観せられました、という感じに。
終盤に「よくこんなもの思い付くな」というアクションの釣瓶打ちなので、そう云うマンガ・小説を描かれてる/書かれてる人は参考になるかも。


【辰巳】
ドン詰まり状態のヤクザ達の間で、しょ〜もないイザコザから殺し合いが始まり……それに巻き込まれた1人の少女とその姉の元彼。
果して彼女達の運命は??
話のテーマや暴力描写などが、好みじゃない人も居ると思うが、純粋な出来に関しては……。
「こんな自主制作映画が有ってたまるか!!!!」
「こんな『長編2本目の映画監督』が居てたまるか!!!!」

北野武映画とも韓国映画とも違う、この監督にしか撮れないような独特の犯罪&暴力映画。


「タイガー 裏切りのスパイ」
インドのスパイ映画。
すげ〜面白いんだが……そこはかとなく漂う「ウチの国とギクシャクしてる隣国が、ウチの国に都合がいい国になってくれりゃいいのに」感が……ビミョ〜な雑音となっている。
エンタメとして出来がいいからこそ、取扱要注意な映画。


【アイアン・クロー】
長男(正確には本当の長男は幼児の頃に死んでるんで次男)以外、全員死亡。
こんな長男力嫌過ぎる。
元になった実話では、更にもう1人死んでます。
まさか、キン肉マンのテリーマンの義足の元ネタ、こんな洒落にならん話なのか??
なんか、「冒険者ランキング1位」とか「魔法学校の成績1位」とかになった奴は、もれなく死ぬ呪いが待ってます、そして、かつての友が次々と死んでくのを見ながら何も出来ない万年2位……なんて洒落にならん「なろう系」の悪意有るパロにも翻案出来そう……。

映画評 【オーメン:ザ・ファースト】 

アンチ・キリストの母になるのが誰なのか、途中で気付かないのは余程の間抜けだけだと思うが、まぁ、本人がその事を知るまでの過程を楽しむ話では有る。
で、その過程だけど……「面白いと思う閾値は低いけど、傑作と思う閾値は高い」ワイからすると……ワイは楽しめたが、万人にオススメ出来る映画かはビミョ〜。
とりあえず、「バチカンの急進派が『悪魔が出現すれば人々は逆に神への信仰を取り戻す筈』という狂ったロジックで反キリストを生み出し、それに対抗出来る最後の希望は悪魔より生まれながらシスターフッドで結び付いた女性だけの3人家族」って事でOK??
おい、まさか、あの評判が悪い「オーメン/最後の闘争」の救世主の母親って、ダミアンの双子の妹の子供なのか??

芸術映画とエンタメ映画はどう違うのか??
きっぱり2つに分けられるのか??
2種類の映画の脚本などの違いは??
などについての話。
youtube.com/watch?v=xsqAZdow2G


「貴公子」
フィリピン人の母と韓国人の父を持つ青年マルコの元にやって来た韓国の弁護士。
実は財閥の総帥だったマルコの父親が死にかけていて会いたがっているらしいのだが……。
一方、韓国に居る腹違いの兄は……やはりと言うべきか韓国映画名物「人を平気で殺すクソ野郎の金持ち」。
だが、何故か、マルコに纏わり付く超強いが何か変な「貴公子」ならぬ「奇行子」と言いたくなるような謎のイケメン男。果たして彼は敵か味方か??
マルコが韓国に呼ばれた理由は、韓国の犯罪映画のファンなら途中で予想が付くものだが、そこから更にどんでん返しが……。
まぁ、主人公と若干名を除いた主要登場人物が、もう、清々しいまでに人間のクズばかり。


「ヤジと民主主義」
すげ〜な。
日本を戦争出来る国にしたい自民党所属の総理大臣を警固してる警察が、とんだ平和ボケ。
安倍晋三へのヤジで警察に排除された人達こそ、自民党所属の総理大臣を無能な警察の猛威から守ってくれたんじゃね〜のか??
いや、札幌の安倍晋三へのヤジ排除の警察のやり方が何の問題も有りませんでした、なんて事になった場合こそ、複数人で政治家、特に自民や維新の政治家を選挙演説の際に殺そうとしてる奴にとっては、作戦の幅がグッと広がってくれるよ、マジで。

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