「映画にわか」なる人のことは知らなかったが、なんか興味本位でnoteを読んでしまった。なんというか、知識不足なのも見て取れるけどそれ以前の問題として持論のロジックの組み立てが破綻してて、情念だけで突っ走ってなにもかも飛躍しまくりに見える。こういうの、雑誌に記事書いてるようなライターにもいるけどね。
『卒業』に露骨な性描写がないと言うが、『愛のコリーダ』レベルまで行かないとセックス表現と言っちゃいかんのか(だいたいミセス・ロビンソンとの情事やストリップバーのシーンとか十分「露骨」だと思うのだが)?
『暴力脱獄』の主人公は一切暴力的抵抗をしないと言っているが、暴力に対する非暴力的抵抗を描いたものなら、それは暴力がテーマと言って何の差しつかえもないだろう。あとふつうにニューマンはジョージ・ケネディ殴ってたし。
ずっとこんな調子。
あっなんかワイルドバンチのとこ筆が滑って文章がめちゃくちゃになってしまった、『俺たちに明日はない』が現在の目で見たら暴力描写が穏当だって書かれてたので、私これも見てないんだがクライマックスのハチの巣描写だけはどっかで見てしまって、あれ見て後世の映画と比べて暴力表現が穏当だって言えるんだったらワイルドバンチだって穏当だっていうやついるだろうみたいな論旨で書こうとしたんでした、文章ちゃんと考えないで書くとだめだな。あと『明日に向かって撃て!』って実際にワイルドバンチ団を率いてたキャシディとサンダンス・キッドの話で『ワイルドバンチ』とは同年の上映だけど前者が青春映画としての色彩が強くて後者は老いたガンマンたちの終幕を描くことでひとつの時代とジャンルに対する引導を渡した映画として内容は相当違っていて、単純に暴力表現だけで比較できるのかというようなことを書きたかったのです。
私『イージー・ライダー』見てないからちょっと書くのためらったけど、この映画についても非暴力の映画って書いてるけど主人公たちが暴力を受ける描写があるなら非暴力の映画じゃないでしょう、『暴力脱獄』も主人公が他者に対して加害を行ってないというだけで暴力が描かれていないとは決して言えない。あと書きたいこといっぱいあったけど疲れちゃったのでちょっとやめるが『ワイルドバンチ』だって今の目から見たらクライマックスそんなに血が流れてませんねとかいうやついるだろ、というか私が見返してそう思ったんだがだからって暴力的じゃないとか言えないでしょ、映画に関してそれほど詳しくない私でもおかしいとこいっぱいあるよあの文章。
あとブラックスプロイテーション映画をニューシネマに入れるか問題、その前にあの辺の映画って『燃えよドラゴン』の白人をぶちのめすブルース・リー像がルーツだってNetflixの『鉄拳とジャンプキック』で見たんだけど、まあこれが正解かどうか私もよくわからん。だからまず『燃えよドラゴン』はニューシネマに入るのかどうか教えてほしい。
『暴力脱獄』について。「邦題とは逆に一切暴力的な抵抗をしないキリストのような受刑者(ポール・ニューマン)の物語」と書いているが、確かに主人公ルークの人物造形にはキリストが重ねられているが、この書き方だと非暴力を貫いた聖人のようじゃないか。この主人公が捕まったきっかけ、酔ってパーキングメーター壊すこと自体が暴力だし、刑務所にぶち込まれた後何度も何度も脱獄しては連れ戻されるのは刑務所内に蔓延する暴力に対する抵抗だが脱獄という方法もまた暴力的だと思うんだけど。暴力の解釈が違うんだろうか。あとゆで卵一気食い大会優勝して倒れる(倒れた姿が十字架にかけられたキリスト像を模している)とか、誰かに対する加害ではないけれど自分を痛めつける姿を見せつけて刑務所内での地位を高めていくところがあり、また何度目かの脱獄の後看守に土下座しているところを見とがめられ、今度は刑務所内での地位が下がって迫害の対象になるところなんか、この映画が暴力を描いていないとは絶対に言えない。「ニューシネマは暴力やセックスを主眼とした映画ばかりではない」という結論ありきで映画のテーマまで捻じ曲げないでほしい。『暴力脱獄』という邦題に関してはどうなんだと私も思うけれども。
にわかの人、映画によっては解釈が面白いなと思って時々読んでたが、今回のアメリカン・ニューシネマについては「俺の思うニューシネマ」についてしか語ってないしさえぼう先生が映画史の資料を紐解きながらきちんと反論しているのに対してブルスコで「自分は映画を見て言ってるのに本読んで反論されても」的なこと言っててとにかく自分の解釈中心なので全然だめだな、フェミニズムやクイア表象については物凄く偏りがあってずーっと解像度が低いんだが全然認めない。
実際に見た映画について語ることのが実感がこもってて映画史や批評の歴史の資料を提示するより上なんだって考える人いるだろうな~と思ってたら本人がそうだったのであーあな感じ。昔からさえぼう先生に対する敵意が異常で映画の解釈が気に入らないからってここまで書くかねって思ってたけど。
で、私もそれほどニューシネマを見ているわけではないしさえぼう先生の反論を読んで「勉強になるなあ」と思っているような人間ですが、にわかの人が取り上げた作品についての解釈があまりに私と違うので、それを書いておこうと思ったんだった。
>「文化が好きだからこそ、歴史を考えない人も多い」
本当にそれすぎる。
この記事、折に触れ読み返している。
日本の若い世代に韓国カルチャーが人気ある事をもって「若い世代は韓国に差別感情がない/韓国との関係が良くなる」と言う人は多いけど幻想だと思う。
上の世代が差別を無くす為の努力をしていない(加害の歴史を伝える等)どころか親世代が韓国差別が悪化していく時代を通ってきてるのに若年層が自然に差別を克服できる訳がない。
例えば男性の家事参加とかジェンダーに関する問題は若い世代の方が絶対良くなってる部分多いだろうけど、それは上の世代がたくさん声を上げて努力してきたから。レイシズムや植民地主義を無くす為の努力は全然足りてない。
偏見や差別のない若い世代は勝手に育たない。
https://cyzowoman.jp/2021/10/post_360367_4.html
>上の世代が「日韓の若者の文化交流」に二国間の問題の解決を期待されているという記述がありました(略
熊野 世代の問題ではないと思うのですが、“歴史を見ずに文化交流すれば解決する”というのは幻想だと認識してほしいです。確かに文化から歴史に興味を持つ人はいるとは思う。自分も最初のきっかけはK-POPですし。一方で、文化が好きだからこそ、歴史を考えない人も多いと感じています。僕は文化を愛することと歴史を学ぶことは両立できると思っていますが、歴史を学んだら楽しくなくなると、避ける人は多い。
正直、いま日本でここまで韓国カルチャーの人気が高まっているのは、日本人が過去の加害を忘却している証左だと思っています。韓国文化が悪いのではなく、日本人がどう向き合うかの問題です。歴史問題は人権の問題だと、立ち戻る必要性を感じています。
もちろん日韓の交流自体を否定しているのではなく、交流のあり方に疑問を持っています。日本人が歴史を学ばないのに交流・対話すれば、結果が出ないのはもちろん、被害国側である韓国人に歴史問題を説明させることになってしまう。まずは日本人同士で歴史や人権について、学び、語り合うことも必要でしょう。
https://fedibird.com/@torinoko51/113019118973177864 [参照]
Xで韓国女性と日本女性の百合が流行っているらしくて色々流れてくるんだが消費の仕方しんどすぎる
もうX掘るのもしんどくて詳しく調べるのもしんどい
何か男尊女卑社会の女性同士のシスターフッド的盛り上がりがあるらしい
でも日本の植民地主義による韓国差別在日コリアン差別を置き去りにして「日韓百合萌え〜」はしんどい
不均衡すぎる
日本軍性奴隷制(従軍慰安婦)被害者への差別が蔓延する国での「韓国オンニ〜萌え〜」しんどい
これを日韓友好的な前進と好意的に受け止められてる感じもしんどいよ
日本女性の韓国が(芸能面で)好き!な人たちって、政治的な話になると途端に韓国嫌いに手のひら返すパターンも多い
推しのアイドルは好きだけど、国としては嫌い!とか言い出す
歴史を知らないし、韓国の子からその話をされると私悪くない!そんな話知らない!そんな昔の話持ち出すなんてしつこいよ!とかって言い出す
だからアイドルが光復節にSNSに何か上げると「反日だ!」って批判するんだよ
それまではただほわほわしてて可愛いと言ってくれたとしても、歴史の話でもえーよくわかんないーってほわほわしてたら、流石にただのバカか…って思われるんじゃ?
その話をされた時に自分を省みる事が出来るなら関係は続くだろうけど、逆ギレする人も多い
その面ではネットで韓国差別してる人と根本は同じ
『冬の旅』(1985、アニエス・ヴァルダ)
アマプラに出ているのに気づいて観た。
装飾的な映像美とは対極にある冬の凍りついたような畑や葉の落ち切った木の細くて刺々しい枝とかほとんど晴れることのない天気とか、映画全体が持ってる触覚に触れてくるようなざらっとした感じが好きだな。劇場で見たらもっと良かっただろうなと思うポイント。
あまり防寒の役に立ちそうにないペラペラの赤黒の模様入りのテントとリュックを背負って特にこれという目的もなさそうに彷徨う若い女に、時々壁と屋根のある寝床と飯を善意で提供する人が現れるが、なぜかそれらと共に労働が一緒に与えられる。でも労働が続かない彼女は間もなく追い出されるか自分からどこかへ行ってしまう。という展開が繰り返される。そこで感じるザワザワした感じをどう捉えたらいいのか。
あと、あのブーツとか、手首に巻いていた皮のベルトとか、
気になるポイントはいろいろある。また観たい。
NHK、ラジオでの不適切発言詳細を公表 「南京大虐殺を忘れるな」 | 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20240822/k00/00m/040/191000c
「南京大虐殺を忘れるな。慰安婦を忘れるな。彼女らは戦時の性奴隷だった。731部隊を忘れるな」これは全くその通りで正しい発言です。
私もNHKの歴史改竄主義に抗議します。日帝の侵略加害を伝えようとしない事を批判します。公共放送としての責任を果たしてください。
今回のスタッフへの損害賠償や刑事告訴もやめてください。
と送った。
https://cgi2.nhk.or.jp/css/mailform/mail_form.cgi
映画と読書と漫ろ歩きを愛する氷河期世代