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物理学者と、生物学者や医師では、データや理論に対する見方が違う。

私は、応用物理学科で教育を受けた。物理学という分野は数理モデルを観測で実証するスタイルが基本。適正な実験を行えば、数理モデルの予測はほぼ当たる。「マイケルソン・モーリーの実験」や「プランク定数」のような意外な実験結果が出た場合には新理論が必要だ(この場合は特殊相対性理論や量子力学ですね)。そんな大きなイベントは滅多にない。

大学では生物学の授業も受けた。先生の話が非常に興味深かった。「学問によって確からしさは違う。物理学が言うことは、だいたい90%ぐらいは正しいだろう。一方、生物学が言うことは50%ぐらいと考えた方がいい。社会科学はもっと緩い」

人体、生物に関してはフロンティア——まだ未解明の部分が多い。例えば薬は化学物質で分子構造も明らか。だが人体という複雑系に薬がどのような機序で作用するか、完全な解明はできていない。だから二重盲検法で試験をした上で作用、副作用を確かめて認可する。いまだに「なぜ効くのか解明されていないが、効いているので処方する」薬がある。

「低レベル放射性の長期的影響」や「環境中に放出されたトリチウムの長期的影響」といった分野の知見はまだまだだ。「私たちは貧弱な知識しか持っていない」という前提で考えた方がいい。

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