『クワイエット・プレイス DAY 1』タイトルの通り「音を立てたら殺す星人」が地球にやってきたときの話。
普段は郊外のホスピスで生活しているサムとセラピー猫のフロドが、余暇活動でマンハッタンに来たタイミングでエイリアンが降ってきてというというのが冒頭の展開。米軍はマンハッタンの橋を落とすことでエイリアンを閉じ込めようとします。
で、普通のお話であれば生き延びて島外に脱出するというのが目的になると思うのですが、ルピタ・ニョンゴ演じるサムは末期のがん患者なので、生き延びるモチベーションがほぼないわけです。
じゃあサムが今は死ねない理由が何なのかというと、マンハッタンでピザを食べたいからなんですよね。
想定していた人生の可能性がいきなり絶たれしまうというままならなさとか、死が眼前に迫った人間の願いの切実さみたいなものが溢れていてとても良かったです。
あと、途中からサムとフロドに合流するエリック(ジョセフ・クイン)がほとんどバックグラウンドが語られないけれど魅力的なキャラな上に、スクリームクイーンとしてしっかり仕事してました。
子どもの声の大きさが迷惑になるみたいな経験から出発しているシリーズの前日譚が、個人的な経験にフォーカスした物語になっているのも、出産と死で対になっているのもいいですね。
最初は威嚇するシーン入れる予定だったけどやめたんだ。そして、威嚇するように訓練するのは難しいというのはへーという感じ。
https://www.hollywoodreporter.com/movies/movie-news/quiet-place-day-one-director-cat-frodo-interview-1235933991/
"M. Night Shyamalan, who produced his daughter’s movies, also self-finances them and then sells them to the studio. In the wake of working with Universal, Warner Bros. attracted him over to its lot. I’m told that the studio shelled out $30M before P&A for The Watchers alone."
$30Mって自分の映画の制作費よりも多いんだよな…。
https://deadline.com/2024/06/box-office-bad-boys-ride-or-die-1235961796/
リメイク版『蛇の道』
オリジナル版の香川照之は割とフィクショナルな狂気を纏っていたけど、今作のダミアン・ボナールは頻繁にお菓子を口にしていたりと、人ゆえに状況に押しつぶされている感がありました。それに対して柴咲コウの平常時の冷静さは哀川翔よりも強くて、ふとした瞬間に滲み出る怒りや憎しみがより強調されいたので、メイン2人のコントラストがとても際立っていました。(もちろんビジュアル的な対比もすごい)
溶接シーンとか、オリジナル版の記憶に強く残るようなショットは割と再現されているのだけれども、柴咲コウがやっていることでその異様が際立っていてとてもよかったですね。
あとアクションの間抜けさとかっこよさのバランスも好きでした。
そして西島秀俊が「たまたまスケジュール空いてたので来ました」感のある出方をしている(実際に1日だけ空いてたらしい)んだけど、めちゃくちゃ不穏なのでさすがだなとなりました。
あーあとロボット掃除機を写したショットが本当に最高。
ただ今作の設定変更によって若干陰謀論ぽい感じになってしまっているのと、哀川翔の仕事(なんなのあの塾)と比べて柴咲コウの仕事が割リアル寄りなので全体の計画のガバさが目立につくようになってしまった感じがありましたね。
WWDCでチラチラ写ってたマット・デイモンとケイシー・アフレックの映画、ダグ・リーマン監督でケイシーが脚本なのか
https://www.youtube.com/watch?v=Q8bE6h9ScBI&t=136s&ab_channel=ONEMedia